• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

大地震は「予知」できるのか

データ活用の可能性と限界

2013年10月3日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネス9月30日号の特集「日米最新事例 ビッグデータ 本当の破壊力」では、クルマやインフラの故障予防など安心・安全対策にも使える最新事例を示した。安全対策の中でも特に関心が高い地震予測にもビッグデータは使えるのか。地震予知研究の第一人者である平田直・東京大学地震研究所教授に聞いた。

(聞き手は大西 孝弘)

センサーとコンピューターの性能向上で、地震の観測や予知はどのように変わりましたか。

平田:結論から言うと、この10年ほどでデータ量は急速に増えています。しかし、残念ながら大地震の予知はできていません。大地震はめったに起きないためにデータが少ないからです。一方で、データが豊富な震度においては、地震が起きる場所や大きさ、頻度の確率を予測する精度が高まっています。

平田直(ひらた・なおし)
1982年東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程中退。千葉大学理学部助教授、東京大学地震研究所助教授などを経て、98年から同研究所教授。前同研究所長。2011年から同研究所地震予知研究センター長。著書に『巨大地震・巨大津波 ─東日本大震災の検証─』(共著、朝倉書店)など。(写真:陶山 勉、以下同)

非常に残念ですね。地震のデータ量は急速に増えているということなので、その経緯や背景を具体的に教えて下さい。

平田:みなさんは地震はたまにしか起きていないと思うかもしれませんが、実は毎日たくさん起きています。

 (地震の大きさを示す)マグニチュード(M)1以上の地震は日本および日本周辺だと年間およそ10万回起きています。東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が起きてからは、地震活動が活発になって年間100万回近くなっている。10分間に1回くらいの頻度です。

 気象庁がこうしたデータを取り始めたのは1923年からです。しかし明治時代からすべての地震を知っていたわけではありません。技術革新で小さな地震まで検知できるようになって、観測できる地震の数が急速に増えているのです。

何がきっかけになったのでしょうか。

平田:95年の阪神・淡路大震災、地震名は兵庫県南部地震です。同年、地震調査研究推進本部ができて、日本中に地震の観測点を整備し始めました。

 中心になったのが、「Hi-Net(ハイネット、高感度地震観測網)」です。防災科学技術研究所が日本中に700カ所の観測点を整備しました。少しずつ整備して2000年頃に観測網が完成しました。

 そのほかに気象庁が約200カ所、大学が100カ所くらい保有しているので、合計1000カ所ほどあります。すべての地震のデータは24時間、365日に気象庁に集められていて、気象庁や大学の研究者がリアルタイムで見られるようになっています。何テラ(テラは1兆)バイトというデータ量があり、まさにビッグデータと言えます。

コメント3件コメント/レビュー

「地震学」の領域において、予知は不可能なのでしょう。もし可能だとすれば、他分野の研究成果から偶発的に予見可能となるケースかもしれません。(2013/10/03)

「ビッグデータ 本当の破壊力」のバックナンバー

一覧

「大地震は「予知」できるのか」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「地震学」の領域において、予知は不可能なのでしょう。もし可能だとすれば、他分野の研究成果から偶発的に予見可能となるケースかもしれません。(2013/10/03)

地震の震度データから統計的に予知する事は理論的に考えて無理だと誰でもいえる事なのではないだろうか。震度と頻度の関係が統計的に分かるという事と、これから来る地震を予知するという事は別物だと考えた方が良い。いくら過去の株価を研究したところで、明日の値動きを言い当てられないのと同じだろう。これまであまり顧みられてこなかった前兆現象を科学的なアプローチで解明して直前予知に役立てたらいかがだろうか。成果が出る確率が低くて予知できないから、踏み込みたくないという事になるのだろうか。(2013/10/03)

■平田先生をはじめ、有識者は少なくとも現状では予知は不可能と断定しています。一部学者だけが、将来可能になる「かもしれない」と言っているだけです。もういい加減地震に「予知」という言葉を使うことをやめませんか。というのも「予知」という言葉には大変な害悪があるからです。■「明日、16時23分に甲乙スタジアムにて雨が降り始めます。」という天気「予知」を信じますか?もしも予知を信じる人がいたら傘を用意しないでしょう。「16時23分までには間違いなく試合は終わる。傘なんかいらない。」ところが現実には15時に降り始めてしまい、予知を信じた人はずぶ濡れになります。気象学者は不確実性をわかっていますので、決して「天気予知」とはいいません。■雨なら濡れるだけで済みますが、地震は命にかかわります。予知を信じる人は、警報が来ないから地震はこないと信じてしまいます。その結果、地震対策がおろそかになります。■予知がいつか可能になると信じても弊害があります。なぜなら、予知が可能になるまでのその場しのぎの対策しかしないからです。例えば、永久的安全を保証する高台移転を拒否し、とりあえず「今は逃げればいい」と発想してしまうのです。予知が不可能とわかれば、抜本的な対策をする気になります。■「予知」という言葉の使用を停止し、不確実性を内包する「予報」や「予測」とすべきです。(2013/10/03)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授