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京都の老舗茶屋がビッグデータで大変身

お茶やスイーツの拡販、お酒への参入に活用

2013年10月8日(火)

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日経ビジネス9月30日号の特集「日米最新事例 ビッグデータ 本当の破壊力」では、最新のデータの活用事例を紹介したうえで、「プライバシーに関わる情報の保護」と「社会全般の利便性向上」のバランスをどう取るのかという課題に焦点を当てた。このコラムではそれに連動し、誌面には収めきれなかった視点や事例を紹介していく。

 「お酒への新規参入は、きっと成功する」

 昨年冬、京都府宇治市にある創業180年の老舗茶屋、伊藤久右衛門の広瀬穣治・事業統括本部長は自信を深めていた。

 同社は2012年度の売上高が約20億円で、従業員数は約80人の中小企業。宇治茶を使ったお菓子やお茶のインターネット販売が主力だったが、抹茶をブレンドした純米酒「夜半(よわ)のみどり」を酒造メーカーと新たに開発。半年間にわたって5000本をテスト販売して購入者のデータを分析する中で、勝算が見えてきたからだ。

 単純にテスト販売した商品が売れたからではない。60万人の会員データと年間800万件もの販売関連データを突き合わせて、まず購入者の実に8割が既存顧客であることを突き止めた。

 さらに顧客データを詳細に分析すると様々な特徴が見えてきた。敬老の日やバレンタインデー、ホワイトデーといったイベントの際に、伊藤久右衛門の商品を頻繁に購入する30~40代の女性顧客がとりわけ多いことが明らかになったのだ。プレゼント用途が中心で、お菓子などを同時に購入する顧客も目立っていた。

 当初はお酒だから、新規顧客が中心になるだろうと考えていた。だが、実際に買ってくれるのは大半が既存顧客だった。テスト販売が示すデータは、期待外れと見ることもできるが、実はそうではない。

 中小企業にとり、新規分野への参入はリスクが大きい。データの裏づけなしにたくさん売れるだろうと期待して大量に製造した場合、売れなければ在庫の山を抱えて、経営に大打撃を与える可能性もある。誰がどれくらい買ってくれるかを見極めて、需要予測の精度を高め、最適な量を製造して販売することがビジネスの成功には極めて重要だ。

 「既存顧客が相手なら安定的な販売が見込めるし、会員向けのメールで商品をアピールするなど販売促進の費用も節約できることがデータ分析で分かった」と広瀬本部長は強調する。

 通常、新規商品を販売する場合は、売上高の20~30%を販促費に投入する必要があるが、既存顧客が相手なら10%程度の販促費でも十分に販売を伸ばせる。だからこそ、「成功できる」と考えた。

お酒への新規参入を成功させた伊藤久右衛門の広瀬穣治・事業統括本部長(写真:山田哲也)

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「京都の老舗茶屋がビッグデータで大変身」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授