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あのルンバは「条件反射」だけで動いていた!

チューリッヒ工科大学・飯田史也研究室(3)

2013年10月21日(月)

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若いうちに違う見方をしたい、と“ロボット大国”日本をあえて飛び出して、かの有名なお掃除ロボットを開発したMITの研究者の下で学んだりしながら、いまはスイスのチューリッヒ工科大学で「生物にアイデアを得たロボット」を研究している飯田史也先生の研究室に行ってみた!(文・写真=川端裕人)

 飯田さんの研究室では、ロボットの研究をするにあたって、常に生物を意識する。

 生物がおそろしく「効率がよい」というのが1つの理由として挙げられたが、それは、エネルギー効率やら計算効率やらを、身体そのもののメカニズムによってクリアしているという事実に基づいているようだ。我々は、自分たちの行動が脳によって支配されていると考えがちだが、飯田さんの観点からは、「体に脳がついていっている」のである。

 このような発想の萌芽は、実はかなり古くからあるという。

 「アラン・チューリング、ジョン・フォン・ノイマンといったコンピュータを創った科学者も生物にすごく興味があって、例えば生物の生殖、つまり、自己増殖、自己組織化の研究をしました。20世紀前半です。でも、一番よく知られているのは、20世紀半ばに提唱されたサイバネティクスですかね。ノーバート・ウィーナーという科学者がいて、機械と生物の制御が結構似ているんじゃないかと橋をかけた。現在の制御工学につながる流れです」

 ここでいう「生物への興味」は、数学的な観点から生物をどうやって理解したらいいのかという点に集約されている。工学的な成果としても、コンピュータそのものの進展であったり、一般的な機械の制御について理解が進んだ(制御工学)。コンピュータは言わずもがなだが、制御工学は黒子として非常に重要で、我々が日常的に接している多くの機械、たとえば、自動車も、飛行機も、エアコンもすべて、その理論とノウハウによって支えられている。

 「1950年代から制御工学が発展して、それに続いて、AI、人工知能の研究が盛んになります。それが1980年くらいまで。それから後で、ロボットの研究が盛んになってくるんですが、ある意味でツールなんですよね。生物を理解するためのツール。その最初の頃に、ロルフ・ファイファーやロドニー・ブルックスという研究者が出て、ロボットを使って生物の勉強をし、更にその成果をロボットの開発に還元し始めたという流れです。ロドニー・ブルックスは、僕がポスドクで研究していたMITコンピュータ科学・人工知能研究所の所長でした」

 ファイファーやブルックスは、ロボット工学の専門家の世界では、主流派とはちがったアプローチをとる研究者として知られているようだ。ファイファーは「身体性認知科学」という、それこそ飯田さんが言うような、「体に脳がくっついてくる」発想の認知科学を提唱した。21世紀になって、かなり注目されている。一方、飯田さんのMIT時代のいわば「大ボス」であるブルックスは、生物研究をロボットに応用し、飯田さんの「バイオ・インスパイアード・ロボティクス」のひとつの源流になった。

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「あのルンバは「条件反射」だけで動いていた!」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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