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結婚でオンナの決断、農の新しいカタチ

「農家の嫁」の先の先から見えるもの

2013年10月18日(金)

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 農業の先行きに漂う閉塞感を打ち破るには、新しい何かが必要だ。女性の力はその1つ。1人で農業の世界に入った30代の2人の女性が結婚に際し、何を決断したのかを取材した。彼女たちの未来に、農業の新しい形がみえる。

 これまで農業と女性のかかわりは、「農家の嫁」というイメージでみられがちだった。2人は違う。彼女たちが先に就農し、栽培や経営で夫にアドバイスしていることもある。だが、2人が示す農業の可能性はそれだけではない。

 最初に紹介するカップルは、西口生子と西口敏男。昨年12月に結婚した。来月には第1子が生まれる。生子は「いまは農業をがっつりできない。それがフラストレーションになります」と話す。この言葉は、2人が築こうとしている経営の姿を端的に示す。

栽培と営業で助け合う西口夫妻(写真は西口氏提供)

 生子はネイルサロンや老人ホームでの仕事を経て、5年前に茨城県土浦市で就農した。農薬も化学肥料も使わず、50品目におよぶ野菜をつくる。若い女性が1人で就農し、しかも有機栽培というハードルの高い農法に挑戦したことで注目を浴び、メディアにも度々とりあげられた。だが収入が伴わず、いつまで続けることができるのか悩んでいた。敏男と知り合ったのはそんなときだ。

 夫の敏男は生子の畑を昨年訪ねたとき、「やり方を工夫すればもっとうまくいくのに」と思ったという。高校のころから農業を志し、東京農大へ。だが「作物を売るにはどうしたらいいか」を学ぶため、すぐには就農せず、青果物卸に就職した。「そろそろ農業を始めよう」と思ったとき、生子と出会った。

妻は栽培、夫は販売

 「明日の作業はこれ」「あと10センチ、畑の隅まで機械を入れて」「言ったことはちゃんと覚えて」。農作業の先生となった生子の指導はけして甘くはない。だが生子もまた、敏男と接することで農業のべつの側面を知ることになる。

 「直売所の売上明細を、うれしそうにずっと見ているんです。あたしは、そんなことしなかった」。これは売り上げが増えてほくそ笑んでいるという話ではない。敏男は言う。「明細を見れば、いつどんな野菜が売れたかがわかる」

 2人の話を聞いていて、農業への向き合い方の違いがみえてきた。「あたしは雑草が生えていたら我慢できない。まず畑をきれいにする」「僕は出す物を先に出して、お金に換えたい」「あたしなら出荷を止めてでも、畑に出る」「売ってなんぼだろ」。そこで2人はこう総括した。「生子は栽培が中心」「敏男は売り上げを増やすために動き回る」

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「結婚でオンナの決断、農の新しいカタチ」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師