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挑戦、チョー硬派な男の立ちそば店!

立ちそば22食目・「K賀」(初台)

2013年10月30日(水)

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 担当のYです。「K賀」はこの連載の前から知っていたお店で、好きなだけに逆に取り上げたものか見送るべきか相当悩みました。しかし、この連載、イトウさんの熱意と「おいしいものたべたい」欲に引きずられて、どんどん「女子でも入れて満足度の高いお店紹介」の傾向が露わになりつつあり、ギャップを描きたいという当初の意図が薄れてきたように思えます。「おいしいことは当然として、“ザ・勤め人男子”の世界としての立ちそば屋さんに行ってみるべきでは? と考え、強行上陸していただいた次第です。

 ご存じの方も多いと思いますが、K賀はお店の方、そして客の側、双方に絶妙に流れる空気がある店です。「互いの領分を侵さないために、譲れるところは出来る限り譲る(まさかそれを知らずにここにいるワケじゃないだろうな? ところで、そのカバン下に置けないのか?)」という緊張感、コップの水をリレーしながら「この店、お前も好きなんだな? …俺もだよ」という、仲間意識。どれも、女子の方にとっては「なんで食事の時にまで」と呆れてしまう感覚でしょう。

 果たしてイトウさんは私のこうした説明にいちいち異を唱え…ないのですが、表情をしきりと曇らせ、眉を寄せて小首をかしげ唇をとがらせ、カロリー計算をしてみせ、と、ありとあらゆる無言のNOを突きつけてきました。うん、これは面白くなりそうだ!

 ある日のミーティングでY氏。しばらくぶりに訪れた、立ちそば店のことを話される。

Y氏:この連載で、こんだけ美味しい立ちそば食っていても、そこの店は記憶通りに旨かったんです。でっかいかき揚げが、揚げたてで出てきて…。

 いつもならこの手のあおりにいとも簡単に釣られてしまう、食いしんぼうで、天の邪鬼、単細胞なイトウなのですが、…それはちょっと無理がありますよ、Y氏! 
 だって、注文したり立って食べているだけでも必死な、女子による立ちそば企画。常連さんだらけの無言でツーカーなお店なんて、考えただけでも気持ちがどんより重くなる。それに大きいかき揚げなんて、食べ切れるのかなあ…。

 尻込み気味なイトウに、

Y氏:10年前位に行って、あまりに旨くて感動した店で、…この間久しぶりに入りまして…、

 Y氏の想い出は気になりますが…、ここで乗せてはならぬと、

:なんだか女子向きじゃ、なさそう…。

 すると、とうとうY氏、堪忍袋の緒が切れた!

 …こうして、今回の潜入先は半ば強引な形で「K賀」に決定いたしました。

**************************

 京王線初台駅の階段を上って地上に出ると、まず目に入るのは首都高の高架と、下を走る甲州街道。そのすぐ脇にあるのが、「K賀」。
 待ち合わせよりもちょっと早めに着いたつもりが…。あれっ、すでにY氏がいらっしゃる!

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「挑戦、チョー硬派な男の立ちそば店!」の著者

イトウエルマ

イトウエルマ(いとう・えるま)

イラストライター

北海道室蘭市生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒。文具メーカーで企画・デザインに携わり、その後フリーに。イラストルポなどを中心にお仕事しております。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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