• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

プラダを着た“爆弾ウィンター”

ヴォーグ以外でも鉄拳を振るうディレクターに昇格

2013年10月25日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

冷徹さとカリスマ性を備えたアナ・ウィンター(写真:ロイター/アフロ)

パワーのあるところには、さらにパワーが集まる。

 ファッション雑誌としてトップの地位を保つアメリカ版『ヴォーグ』誌の編集長、アナ・ウィンターのキャリアは、数十年にわたって「パワーを集めてきた経緯」のように思われる。ティーンエージャーの頃からファッション・ジャーナリストを目指し、着々とトップの座を目指してきた。そうして集めたパワーが今、“全開状態”になっているのだ。

 ウィンターは今春、ヴォーグをはじめ数々のライフスタイル関連の雑誌を発行するコンデナストのアーティスティック・ディレクターに任命された。これまで通りヴォーグの編集長を務めながら、売り上げに伸び悩んでいる他の女性雑誌に手をつけ、『ヴォーグ』の成功を移植しようというわけだ。これは、コンデナスト社の親会社、アドバンス・パブリケーションを創設した家系にあたるサイ・ニューハウスがこれまで握っていた地位だ。

 新しいポストに就任して数カ月で、すぐに目に見えて変化があった。まず、各誌のトップの首をすげ替えた。旅行雑誌の『コンデナスト・トラベラー』の編集長は、創刊以来30年近くも同誌を育ててきたが、いとも簡単に追い出され、別の編集長がやってきた。若い女性を対象にした『ラッキー』誌では、社内でも尊敬を集める編集長の横に、別の部署から「コンサルタント」がやってきた。そのコンサルタントは、ウィンターのお気に入りの編集者だ。座りの悪い数カ月間を経て、ラッキーの編集長は首に。ウィンターはまるで少しずつ縄張りを拡大する犬のように、重要なポイントで「邪魔者」「気の合わない人間」「彼女のレベルに到達しない人材」を次々と排除してきたのである。

 自分のトップ就任とともに組織の上層部を入れ替えるというのは、ウィンターが長年やってきたことだ。そのことへの恐怖から、彼女は「爆弾ウィンター」という呼称も与えられている。いわば専制君主のようなやりかたと言える。

 世界の人々は、ウィンターの実像を『プラダを着た悪魔』で知ったことだろう。かつてコンデナスト社でウィンターのアシスタントをしていたローレン・ワイズバーガーの同名の小説をもとにした映画である。メリル・ストリープが演じるこのファッション雑誌の編集長は、社内で女王のように振る舞い、無理難題を突然部下に押し付ける。誰も彼女と廊下で行き交ったりエレベーターで一緒に乗り合わせたりしたくない。観る人々にとってはファッション界をおちょくったおかしなコメディーであり、ファッション界の恐怖政治をかいま見る情報にもなったはずだ。

コメント0

「女の出世ダイバーシティ」のバックナンバー

一覧

「プラダを着た“爆弾ウィンター”」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

ドイツ企業は協調と競争の使い分けに長けている。

ビル・マクダーモット SAP CEO(最高経営責任者)