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昭和の迷宮、新橋の地下にまいたけの薫り!

立ちそば24食目 Oくとね(新橋)

2013年11月13日(水)

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 新橋駅地下通路に直結する、昭和レトロなビルの地下1階。自動ドアの向こうに広がるのは在りし時代の垢抜けなくて湿っぽい空気をそのまま留めたような、飲食街。

 一坪きりの店や、扉もなくてカウンター席のみの店がひしめくこの建物に踏み込めば、たちまち昭和の磁場に取り込まれる。今風のなりをしたビジネスマン、昭和を知らない年代の若者や、女性でさえも、蛍光灯の情緒に乏しい光に照らされて、しっくり馴染み一風景になる。 

 はじけた感がやや弱め、黒を基調としたベーシックな服装の女子が、男性会社員に交じって見受けられる、昼過ぎの新橋駅前ビル1号館地下一階。
 ここに、今回の潜入先、「Oくとね」はありました。

 1994年(平成6年)創業。飲食店の新旧入れ替わりの激しいこの場所において「Oくとね」は繁盛店。当然、ランチの時間は避けまして、いつもの午後1時30分にY氏と待ち合わせをいたしました。

 ところで、「Oくとね」を名店たらしめたのは、新潟県との県境に位置する群馬県水上地方、奥利根産のマイタケを使用した、まいたけ天。これをそばに載せて頂ける。
 イトウはマイタケ天が大好きです。それは、とても美味しいマイタケの天ぷらを知ったから。

 尾瀬散策の帰りに立ち寄った、福島県桧枝岐村(ひのえまたむら)のマイタケ天そばは、そばの旨さもさることながら、マイタケのお味が絶品でございました。子供が手を大きく広げているかのような、あるいはフリルが捲れるかのような自由な動きの美しいカサを揚げた天ぷらを齧ると、パキンと音を立てるような張りがあって、クセのない茸特有の旨味、風味がフワ~ッと鼻腔を抜けて行く! 揚げられてさらに味わいの増したマイタケ。これ以上の調理法があろうか、(いや見つからないだろう)!?食す者に問いかけるかのような芳ばしさが口内を充溢、返しの強い汁に浸されても尚、存在感をいかんなく発揮し旨味がさらに際立って…。 

 この日以来、マイタケ天ぷらのとりこになってしまいました。

 ところで、マイタケ、とひと言で申しますが、お味はものによっていろいろ。そもそもきのこは、種類はもとより、育つ場所、環境により風味が全く異なる生物なのでございます。何しろきのこの多くは90%以上が水分で成り立っている。

 年に一度、きのこに詳しい知人らと一緒にきのこ採りに行くのですが、天然のきのこは本当に美味しい。木や落ち葉の香りを十分に吸い上げたきのこは、噛み締めると森の空気が口中に立ちこめ、歯ごたえはよくて肉厚。スーパーに並ぶものとは見た目も風味も全く異なることに驚かされます。

 きのこ菌は平生、我々の目に触れることはありません。地中や木の中に菌糸を張り巡らしており、しかるべき季節になると姿を現し、種の保存のために胞子を放出します。こうして目に見える菌糸の集合体となって胞子を蓄えたものが子実体、いわゆるきのこなのであります。

コメント36件コメント/レビュー

今更コメントを書くのもどうかと思いながら書きます。マイタケの天ぷらはコメントしませんが出汁がおいしかった。関東風の濃い口醤油、煮出しすぎのカツオ節ではなく、昆布・イリコ(入ってるかな?)薄口の関西風でおいしゅうございました。(2014/04/04)

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「昭和の迷宮、新橋の地下にまいたけの薫り!」の著者

イトウエルマ

イトウエルマ(いとう・えるま)

イラストライター

北海道室蘭市生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒。文具メーカーで企画・デザインに携わり、その後フリーに。イラストルポなどを中心にお仕事しております。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今更コメントを書くのもどうかと思いながら書きます。マイタケの天ぷらはコメントしませんが出汁がおいしかった。関東風の濃い口醤油、煮出しすぎのカツオ節ではなく、昆布・イリコ(入ってるかな?)薄口の関西風でおいしゅうございました。(2014/04/04)

いまさらですが、続きがないなぁ・・・なんて思っていたら、ちょうど忙しかった週に最終回報告があったんですね。ガーン といいつつ、巣立ちも大事。また、Yさんやイトウさんが面白いネタをみつけて、続編なり、新企画なりをあたためてくださるのを願ってます。最後に^^ こだわりって大事だなぁって思う。(おやさん)(2013/12/26)

このコラム、大好きだったんですが、13日の早朝から昨日まで長期出張をしており、先週の回が最終回であったという衝撃の事実に今頃になって気づきました。なんだか、せっかくの美味しいそばがうっかり放置して伸びきってしまったような気分です。また何かの機会に、NBOに帰ってきてくださることを祈っております。ありがとうございました。  R(2013/11/19)

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長