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私はグーグルグラスを使わない

MITメディアラボ所長の伊藤穣一氏に聞く

2013年11月18日(月)

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伊藤 穣一 米マサチューセッツ工科大学(MIT)・メディアラボ所長

 ウエアラブル端末が徐々に世に出始めてきている。この動きをどう見ているか。

伊藤:韓国サムスンの腕時計型コンピューターや米グーグルの眼鏡型コンピューターといった、今出てきているウェアラブルコンピューターは1980年代、MITメディアラボで研究していた人たちが花を開かせたものだ。

 スマートフォンが大型化するにつれ、人々は小さなものを求める傾向が強まっている。幾度となくウェアラブルコンピューターのムーブメントは起きては消えてきたが、ディスプレイ技術や通信技術の発展によって、かなり現実味を帯びてきたといっていいだろう。今回のムーブメントは米アップルの「アップル・ニュートン」(注:1993年に発売された世界初の個人用携帯情報端末)とiPadくらいの違いがある。今回のウェアラブルコンピューターの潮流は定着すると見ている。

ウエアラブル端末の現状での問題点をどう見ているか。

伊藤:例えば、眼鏡型コンピューターの「Google Glass(グーグルグラス)」であれば、さっそく、顔認識をしてはならないといったプライバシーに絡む問題が浮上しているように、既にいくつかの問題が顕在化してきている。

 今後、グーグルグラスがどのように成長を遂げていくのかは分からない。だが、一つ言えるのは、おそらく私はグーグルグラスをしないということだ。もちろん研究のために使っている学生はMITラボにも多い。だが、あれを私が着けて外に出ることはないだろう。

SF映画で格好良くても、焼き鳥屋に着けていけるか?

 理由は見た目が変だからだ。結局、一般的に普及するためにはコストが安くなければならない。普及しなければ、どうしても社会的に目立ってしまう。私はファッションの動向は読めないが、少なくとも今のグーグルグラスがファッショナブルとは言えない。

 SF映画で見れば、格好良いかもしれない。ただ、それをつけて焼き鳥屋にはいけないだろう?恥ずかしく感じるはずだ。もちろん、一部の層には支持されるだろう。だが、あれが一般化するとは言いがたい。コンピューターという過去の遺産を引きずっているようにも見える。

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「私はグーグルグラスを使わない」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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