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安かろう良かろうを実現したメルカドーナ

ローランドベルガー欧州レポート(3) メルカドーナ

2013年12月9日(月)

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メルカドーナの店内

 緊縮財政による不景気に苦しむスペインでは、人々の財布の紐は固く、多くの小売業が不振にあえいでいる。そんなライバル達を尻目に、急成長を続ける小売業がある。スーパーマーケットチェーンのMERCADONA(メルカドーナ)だ。

 1981年には僅か8店舗だったメルカドーナは、2000年には493店舗、2013年には1411店舗にまで成長し、現在も年間60~70店舗の新規出店を続けている。マーケットシェアでは2000年に7%だったシェアは2013年現在14%にまで拡大し、スペイン国内首位の同社の売上は2012年度191億ユーロ(1ユーロ135円換算で2兆5758億円)にも及ぶ。

「低価格で高品質」を実現

 それでは、なぜメルカドーナがここまで消費者から支持されているのだろうか? 識者により様々な分析がされているが、消費者から見れば答えはシンプルだ。すなわち、すべての商品がバリュー・フォー・マネー、すなわちメルカドーナがモットーにしている「ALP」(Always Low Prices with highest quality)が完全に具現化されているからだ。米ウォルマート・ストアーズの展開してきたEDLP(Everyday Low Price)と似ていると思う読者もいるかもしれないが、EDLPとメルカドーナのALP(Always Low Prices with highest quality)は似て非なるコンセプトだ。前者は競争軸はあくまで価格だが、メルカドーナはあくまで価格×質で勝負している。同社は現在8000種類の商品を扱っており、うち約4割はプライベートブランド(以下PB)である。しかしPB商品、PB以外の商品問わずこのモットー「ALP」が浸透している。

 分かりやすい例をご紹介しよう。メルカドーナの食品向けPBにHACENDADO(アセンダード)というブランドがある。アセンダードの人気商品の1つにオリーブの瓶詰めがあるが、オリーブにうるさい筆者のスペイン人の友人は、このアセンダードを絶賛する。曰く、市場では2倍の値段がする量り売りのオリーブと変わらない味わいなのだそうだ。実際、筆者もバルセロナに住んでいた際には、メルカドーナには大変お世話になった。PBではないが、例えばムール貝。メルカドーナでは、新鮮なムール貝はなんと1キロ1.5から2ユーロくらいで買える。

スペイン人オリーブ通も絶賛、PBのオリーブの瓶詰め

 日本円でざっくり言うと、1キロ大体200円。毎日ムール貝の白ワイン蒸しを楽しんでも、お財布には優しすぎる値段だ。ムール貝の品質は蒸したときにどのような色になるかで判別できるのだが、メルカドーナのムール貝は常にオレンジ色で非常に美味しかったことが記憶に新しい(なお、質の悪いムール貝は調理すると白っぽくなる)。メルカドーナは約4,700の漁師と直接契約し仕入れることで、この質と価格を実現している。

コメント2件コメント/レビュー

この記事でいう所は、適正に安かろう、適正に良かろう。であり、コストパフォーマンス最大を狙っただけ。それは一昔前のケイレツで親会社と子会社が目先の利益、自社の利益を優先し過ぎずに協力してWin-Winを狙ったのとだいたい同じ。今の所、中間コストとしての無駄を下請けに無理なく削減した。ここまでは先のケイレツの話でも成功した。そこから更にコストダウンの圧力を下請けに押し付けると今の日本の安かろう悪かろうに傾いた状態になる。ある意味欧米は強かった日本の仕組みを日本では苦手な契約と都度の収支などによって、良い所を殺し、悪い所を発現させて衰退化に大成功している。その欧米も先進国病で衰退しているんで、結局共倒れし、先進国病から逃れるヒントを潰したんだと思う。(2013/12/09)

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「安かろう良かろうを実現したメルカドーナ」の著者

福田 稔

福田 稔(ふくだ・みのる)

ローランド・ベルガーP

慶応義塾大学商学部卒、欧州IESE経営大学院経営学修士(MBA)。大手ITコンサルティング会社を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事でいう所は、適正に安かろう、適正に良かろう。であり、コストパフォーマンス最大を狙っただけ。それは一昔前のケイレツで親会社と子会社が目先の利益、自社の利益を優先し過ぎずに協力してWin-Winを狙ったのとだいたい同じ。今の所、中間コストとしての無駄を下請けに無理なく削減した。ここまでは先のケイレツの話でも成功した。そこから更にコストダウンの圧力を下請けに押し付けると今の日本の安かろう悪かろうに傾いた状態になる。ある意味欧米は強かった日本の仕組みを日本では苦手な契約と都度の収支などによって、良い所を殺し、悪い所を発現させて衰退化に大成功している。その欧米も先進国病で衰退しているんで、結局共倒れし、先進国病から逃れるヒントを潰したんだと思う。(2013/12/09)

ダイエーを創業した故中内功氏が目指したものもメルカドーナのように「安かろう、良かろう」だったと思っています。しかしさらなる販売増を狙って「安かろう」だけに集束していったようで甚だ残念です。(2013/12/09)

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