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「沈む米国、昇る中国」に右往左往の韓国

読者からの質問に答えて(4)

2013年11月28日(木)

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 今、韓国人は「丙子胡乱」(ピョンジャ・ホラン)を思い出す。急速に勃興した清帝国に逆らった結果、民族的な屈辱を味わった事件だ。では、400年も前の事件が「なぜ今」なのか――。読者と考える。

「滅びる明」に賭けた朝鮮

『異様な反日』を生む『絶望的な恐中』」を読んで、米国が大好きな韓国人が、中国の言うことばかり聞くようになったわけが、ようやく分かりました。中国を心底、恐れているのですね。

鈴置:ええ、丙子胡乱により「中国には逆らってはいけない」という意識が民族のDNAとして染みついたかに見えます。

では、その不愉快な記憶であるはずの「丙子胡乱」が、なぜ今、ちょっとしたブームになっているのでしょうか。

鈴置:韓国人にとって、その歴史的事件は現在の国際情勢と二重映しになるからです。朝鮮が清に攻められたのは、明こそ宗主国と信じていて、台頭する清に素直に服属しなかったためです。

 明の求めに応じ、清に国号を変える前の後金を攻撃したこともありました。1619年のサルフの戦いです。清が朝鮮を敵国、あるいは潜在敵国と見なしたのも当然です。

 当時の中国は明から清への交代期で、2つの王朝が併存していた。今風に言えば、G2の時代だったのです。しかし、朝鮮は滅びる明に賭けてしまった。

 それは明が自分よりも「上」の漢民族の王朝だったからですし、壬辰倭乱・丁酉倭乱(文禄・慶長の役)の時に、兵を送って救ってくれた明には恩義がある、と考えたからです。

明清交代と米中交代

なるほど!現在の「米中G2時代」は韓国人にとって「明清G2時代」の再現なのですね。

鈴置:だから今、史学者であるハン・ミョンギ明知大学教授の書いた、歴史小説『丙子胡乱』が話題になっているのです(「『異様な反日』を生む『絶望的な恐中』」参照)。各紙の書評の見出しは以下の通りです。

・「G2時代に丙子胡乱を振り返れ」(東亜日報、10月30日)。

・「『沈む明、浮上する清』を知らなかった(当時の王の)仁祖、丙子胡乱を呼んだ」(朝鮮日報、11月2日)。

・「米中日の間に挟まれる韓国 丙子胡乱を反面教師に生き残ろう」(韓国日報、11月2日)。

・「情勢を誤って判断 『丙子の年の惨劇』 G2時代に投げかける教訓」(ハンギョレ、11月3日)

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中国という蟻地獄に落ちた韓国

まるで中国という蟻地獄に落ちたかのように、
その引力圏に引き込まれていく韓国。
北の核威嚇で加速する韓国の「従中」は、
日米との同盟に引き返せないところまで来てしまった。
日本は、米国はどう動くのか。

コメント12件コメント/レビュー

(2/2)第三に、そもそも戦争のきっかけは何か?明に服属したことはおろか、清への服属を拒否したことでさえないのではないかと私は考えている。『丁卯戦争』以前、後金は明との交易に経済をかなり依存していたが、直接の交易路は政治的理由から遮断していた。そのため、交易は主として朝鮮領を通して行われていた。これ自体は、朝鮮にとっても得な話のはずである。ところが、当時の朝鮮国王は、明への服属を理由にこの市場を閉鎖した。これが攻撃された最大の理由である。だからこそ、戦後交渉における後金の要求は、名分上のものを除けば市場の開放と和約保証の人質として太子を提供することだったのだ。しかし、清建国の際、愚かにも朝鮮王は服属拒否と“だけ“伝えた。清にとっては、これは朝鮮による経済制裁宣言に等しい。弱国がやることではない。『丙子戦争』の結果結ばれた和議は、大通りでの拝謁や服属を記念する建造物の建設、奴婢・物資の供出等、体面上も実害面でも、『丁卯戦争』時の和議とは比べ物にならないほど過酷なものだった。だが、この結末は、朝鮮が市場開放だけは維持すると保証するだけでも回避できる可能性があった。というよりも、最大の問題は、市場開放保証をカードにして明示的な服従行為を免除してもらえないかと交渉した痕跡そのものがないことなのだ。結論。もし『丙子戦争』の結末から韓国人が得るべき教訓があるとすれば、それはどこに服属するべきかなどというものではない。例えば次の4つである。?「国内の争いに他国を引き込まない」、?「他国に喧嘩を売る際に相手に甘えて身勝手な見通しを立てたりしない」、?「防衛体制は面子よりも実利害を基準に考える」、?「互いの利益を案分して妥協できる道をつくる外交を行えるようになる」。要するに、独立国として真面目に生きろということである。(三諸)(2013/11/28)

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「「沈む米国、昇る中国」に右往左往の韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

(2/2)第三に、そもそも戦争のきっかけは何か?明に服属したことはおろか、清への服属を拒否したことでさえないのではないかと私は考えている。『丁卯戦争』以前、後金は明との交易に経済をかなり依存していたが、直接の交易路は政治的理由から遮断していた。そのため、交易は主として朝鮮領を通して行われていた。これ自体は、朝鮮にとっても得な話のはずである。ところが、当時の朝鮮国王は、明への服属を理由にこの市場を閉鎖した。これが攻撃された最大の理由である。だからこそ、戦後交渉における後金の要求は、名分上のものを除けば市場の開放と和約保証の人質として太子を提供することだったのだ。しかし、清建国の際、愚かにも朝鮮王は服属拒否と“だけ“伝えた。清にとっては、これは朝鮮による経済制裁宣言に等しい。弱国がやることではない。『丙子戦争』の結果結ばれた和議は、大通りでの拝謁や服属を記念する建造物の建設、奴婢・物資の供出等、体面上も実害面でも、『丁卯戦争』時の和議とは比べ物にならないほど過酷なものだった。だが、この結末は、朝鮮が市場開放だけは維持すると保証するだけでも回避できる可能性があった。というよりも、最大の問題は、市場開放保証をカードにして明示的な服従行為を免除してもらえないかと交渉した痕跡そのものがないことなのだ。結論。もし『丙子戦争』の結末から韓国人が得るべき教訓があるとすれば、それはどこに服属するべきかなどというものではない。例えば次の4つである。?「国内の争いに他国を引き込まない」、?「他国に喧嘩を売る際に相手に甘えて身勝手な見通しを立てたりしない」、?「防衛体制は面子よりも実利害を基準に考える」、?「互いの利益を案分して妥協できる道をつくる外交を行えるようになる」。要するに、独立国として真面目に生きろということである。(三諸)(2013/11/28)

(1/2)清史稿や仁祖実録から『丙子戦争』の記述を読むと、おおよそ次の経緯をたどったことがわかる。清建国の際、新帝が朝鮮に『丁卯戦争』以来の服属の確認を求めたが朝鮮は拒否した。最前線である鴨緑江南岸では、主力軍が籠城した義州を清軍から無視された。内地の防備を整える前に、現在の北朝鮮韓国国境まで清軍に展開されていた。王は首都を捨てて南漢城から高麗以来の籠城拠点である江華島へ逃れようとしたが、雪で南漢城から先へ進めないうちに、清軍に進路をふさがれた。南漢城には物資の備蓄がほとんどなかった。結果、南漢城で食料が尽きて降伏した。これはどう見ても、戦う前に負けた闘いである。主な問題は次の3つ。第一に、なぜ清軍がそれほど効率的に朝鮮領内に展開できたのか?前回の丁卯戦争以前、王に不満のある有力者が清に亡命して、侵攻の案内役になっていたためだ。第二に、なぜ王はこれほど無様な醜態をさらしたのか?朝鮮の戦略として、負けたら江華島にこもることは防衛戦略の前提になっていたようだ。だからこそ、義州を無視されただけで漢城まで迫られるような国内防備体制だったのだろう。だが、それなら服属拒否を伝える時点で江華島に移っていなければならない。移動が遅れたのは、王室の面子が第一で、相手の要求を拒否しても何とかなるかもしれないという身勝手な情勢見通しを行ってしまったためであるように、私には見える。(2013/11/28)

今回、右往左往したのは、日本の航空会社ではありませんか?中国防空識別圏への【全日空や日本航空の醜態】を尻目に、韓国の航空会社は中国の圧力に屈せずに飛行計画を中国に提出しませんでした。これぞ【経済活動は安全保障があって初めて成り立つ】の典型例だと思います。全日空や日本航空は今すぐ大韓航空に行って、安全保障の何たるかを学ぶべきと考えます。(2013/11/28)

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井上 礼之 ダイキン工業会長