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エイズへの関心、薄すぎる日本

確実に死に至る病気ではなくなったが

2013年11月26日(火)

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 160万人――。

 この数字でピンと来る方はどれほどいるだろうか。

 これは昨年エイズで亡くなった方の数である。日本ではあまりニュースとして取り上げられなくなったエイズという疾患で、いまでも世界中で100万人単位の方が命を落としている。

 日本でエイズへの関心が薄らいだのは、国内の患者数が他国に比べて少ないことと、エイズウイルス(HIV)に効く抗ウイルス薬が数多く開発されて、病気を抑え込めるようになってきたことによる。

 だが世界では、今でも約3430万人の感染者がおり、新規の感染者数も毎年約250万人にのぼる。日本では毎年1500人前後の新規感染者が報告されている。

 絶対数は少ないが、国内ではエイズの血液検査をしない人が多いため、体重減少や日和見感染症など、エイズを発症して初めて自分がHIVに感染していたことを知る人も少なくない。エイズは今でも人ごとではないのである。

死の病から「慢性の感染症」へ

 11月20日から22日まで熊本市で第27回エイズ学会が開かれた。参加者は医療関係者やNGOの活動家などを中心に約1500人。演題数は426におよび、過去最大だった。

 これは何を意味するのだろうか。医学の世界ではエイズを「慢性の感染症」と呼べるまでにウイルスの活動を抑え込めるようになってきたが、ワクチンはいまだに開発されておらず、完治したと宣言できていないことを物語っている。

 そこが同じウイルスの疾患である風疹や黄熱病などと大きく違う点である。通常の病気は、症状が出て薬を服用して治れば、それ以上薬を飲む必要はない。しかし一度HIVに感染すると、現段階では一生、しかも毎日薬剤を飲まなくてはいけない。HIVと共に生きざるを得ないのだ。抗ウイルス剤の服用を止めることは、死を意味する。

 それでもエイズの分野には過去30年でいくつもの光が射した。世界中の研究者がさまざまな角度から治療に専心したことで、HIVに効く薬だけで20数剤が導入された。それまでウイルスに直接効く薬がほとんどなかったが、増殖を抑える薬剤の登場は画期的と言えた。

 しかも感染者・患者はかつて、両手を広げないと持ちきれないほど多数の薬剤を1日に服用する必要があったが、今年から1日1回1錠で済むまでになった。

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「エイズへの関心、薄すぎる日本」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官