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ビッグデータの限界が露呈する「狼少年」問題

成績を上げるには教室の前方の席に座るべきか

  • 松波 晴人

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2013年12月11日(水)

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 ビッグデータは膨大なデータから相関関係を導き出し、これまで私たちが気づかなかった関係性に気づかせてくれる。つまり、見逃していた情報を教えてくれる、ということである。

 これは野球でいえば、「見逃し三振を防ぐ」ことに似ていて、大きな意味がある。その関係性に気づいただけでも、ビジネス上の利益につながることがある。米アマゾン・ドット・コムのリコメンデーション(推奨)では、3割もの売り上げ向上があったと言われている。

 「見逃し三振を防ぐ」のは確かに重要なことではあるが、同時に別の問題が生じることがある。それは「狼少年(の童話)」問題である。

 ビッグデータでは一般に、因果関係よりも「相関関係」を重視する。ビッグデータから相関関係が見つかれば、それを予測に使おうとする。

 しかし、そもそも相関関係と因果関係は違うものだ。因果関係がなくても、データ分析では相関関係が出てくる場合がある。

あなたは以下の問題をどう解くか

 例えば、あなたに大学生の息子がいて、成績が振るわないとしよう。

 そこで日本における全ての大学の授業のデータを分析したら、「授業中に学生が座っている席の位置」と「その学生の成績」に相関が見つかったとする。「教室の前の方に座っている学生ほど、成績が良かった」ということが分かったとしよう(図1)。

図1●教室での席の位置と成績の関係

 ここであなたは自分の息子に、どんなアドバイスをするだろうか。おそらくは「成績を上げるためには、授業中は教室の前方の席に座れ」と助言し、実際に息子は最前列に座ったとする。

 これで息子の成績は上がるだろうか。

 残念ながら、それだけでは成績は上がらない。

 なぜなら、「勉強に取り組む意識の高い学生が前の方の席に座っている」のが実態なのであって、「前の方の席に座ること」よりも「勉強に取り組む意識の高さ」の方が大切で、これが事の本質だからである(図2)。

図2●相関関係と因果関係は異なる

 息子が前の方に座ったとしても、「勉強に取り組む意識」が低いままでは、当然成績は上がらない。成績を上げるためには、事の本質である「勉強に取り組む意識」の方をまず上げなければならない。

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長