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ビッグデータが先か行動観察が先か

どちらのパターンもあり得る時代に突入

  • 松波 晴人

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2013年12月18日(水)

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 人間の気持ちや感情に大きな関わりがあり、「狼少年(の童話)」問題が起こると困るような課題においては、ビッグデータだけではなく、文脈(How)や理由(Why)を理解するための手法と組み合わせてものを考える必要がある。

 そこで重要となるのが「行動観察」である。行動観察は「人間の気持ちや感情」、さらにはHowやWhyを理解するための方法論である。そのため、行動観察においては、何をおいてもまず「現場に足を運び、自分の目で確かめる」ことから始める。

 現場での人間の行動をつぶさに観察することで、第1回で紹介したような「ある若者の朝起きてから出社するまでのストーリー」に示されたのと同様な情報を観察者が収集するのである。

 対象者に寄り添って、先入観を持たずに観察することで、ビッグデータではカバーされない「誰が(Who)、どこで(Where)、いつ(When)、何を(What)」という情報を集めるとともに、その時の気持ちや感情、さらにはHowとWhyの情報を集める。

 そうすることで「何が本質的なことなのか」を見極めるのである。

 例えば、この若者と観察者が終日一緒に過ごすことで、どういう生活実態があり、どういう思いがあり、どういう価値観があり、何が本質的なのか、についてインサイト(洞察)を得る。そこから総合的にソリューションを考える。

行動観察はサンプル数が少ない

 ただし、行動観察では「n数」(観察する対象数、サンプル数)を膨大に集めることは、事実上不可能である。一人ひとりを詳細に観察して深く分析することはできるが、ビッグデータのように膨大な人数を膨大な日数に渡って観察し続けることはできない(「エスノグラフィー」と呼ばれる民族学や文化人類学に由来する観察手法では、例えば1年間にわたってある部族と生活を共にして観察することなども行われるが、それでも観察期間には限界がある)。

 ビッグデータが例えば、地球上の全ての物質情報を集める方法論だとすれば、行動観察は特定の場所を深く掘っていき、何が奥に眠っているかを知るための方法論であると言える。詳しくは拙書『ビジネスマンのための「行動観察」入門』(講談社)を参照してほしい。

 要するに、ビッグデータ分析と行動観察には役割分担が必要である、というのが私の考えだ。ボールを投げるのが得意な選手にはピッチャーを、バットで打つのが得意な選手にはバッターを担当してもらって初めて、野球の試合に勝利することができるわけだ。

 行動観察とビッグデータの役割分担は、以下の通りであると考えられる。

(ビッグデータ)膨大なデータから相関性を見いだし、インサイト(洞察)を導き出すために役立てる。また、得られたインサイトの確からしさを膨大なデータで検証する。ただし、人間の気持ちや感情に関するデータや、因果関係を得ることは得意ではない。

(行動観察)一人ひとりを実場面で詳細に観察することで、「何が本質的か」というインサイト(洞察)を導き出す。つまり、様々な事実を説明できる「仮説」を導く。ただし、観察には時間とコストがかかり、データ数をむやみに増やすことは困難である。

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