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東電に誠意は感じられない

福島第1原発に最も近い工場社長の叫び

2013年12月3日(火)

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 東京電力の組織体制の見直しが議論されているのは、事故処理の費用負担に応じきれないと見られるからだ。東電は11月8日まで損害賠償として約3兆801億円を支払い、「迅速に対応している」(賠償担当)という。ただ、損害賠償への不満は多い。損害賠償に関連する9月末時点の訴訟はおよそ80件だ。その1つで、福島第1原子力発電所の直近に工場を持つ農薬中堅、アグロカネショウの櫛引博敬社長に東電を提訴した経緯などを聞いた。(聞き手は大西 孝弘)

福島第1原子力発電所の直近で農薬製造の工場を運営していました。原発事故直後の様子から教えて下さい。

櫛引:我々の福島工場は福島第1から南に約1キロメートルの場所にありました。海沿いに大熊東工業団地というのがあるのですが、その最も北に位置しています。すべての工場の中で福島第1に最も近いのではないでしょうか。

 もちろん津波の被害はありました。海側の建屋は津波で流された松の木などで損傷したのですが、陸側の損傷は少なく、修復をすれば2011年のゴールデンウィーク明けから操業できる程度でした。しかし原発事故で放射線量が高く、操業再開は見込めなくなりました。立ち入り禁止ですからどうしようもない。許可を得て工場に行ったことがあります。帰る見通しが立たない大熊町の「帰還困難区域」は死の街のようでした。

アグロカネショウの櫛引博敬社長。
「裁判はたいへんだが、徹底的に続ける」と語る

東電に対してどんな内容の損害賠償を請求しているのでしょうか。

櫛引:まず東電は立て替え払いの賠償をしています。例えば、福島工場の機械を運び出して除染して、別の工場に据え付けました。その移設費用は東電に払ってもらっています。

 それと減損した在庫分の一部を払ってもらった。 福島工場を操業できない間の営業逸失利益や人件費などは払われていません。我々は40~50億円程度の損害賠償を求めているのですが、その30%弱しか賠償してもらっていない。

 福島工場は殺菌剤など当社の主力製品を製造していたので、稼働できない損害は大きかったのです。通常の手続きでは進展しなかったので、2012年12月に賠償を東電に求める訴訟を東京地裁に起こしました。

アグロカネショウの福島工場。
東京電力福島第1原子力発電所の事故による影響で、農薬製品を出荷できなくなった

コメント37

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「東電に誠意は感じられない」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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