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和食好き中国人が感じる和食の弱点

2013年12月9日(月)

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 ユネスコ(国連教育科学文化機関)は12月4日、日本政府が推薦していた「和食 日本人の伝統的な食文化」を無形文化遺産に登録することを決めた。「Sushi(スシ)」などは既に世界中で親しまれているが、私が赴任している中国でも和食はとても人気がある。

 印象的なことがある。昨年9月、日本政府が尖閣諸島の国有化を決定した後、中国全土で反日デモが広がった。日本食レストランもデモ隊の攻撃対象となっていたため、被害を避けるため店の看板を中国の国旗で隠したり、入口に「釣魚島是中国的(尖閣諸島は中国のものと言う意)」というステッカーを貼って防衛せざるを得なかった店も多かった。

 ただ、多くの日本食レストランはデモの直後でも中国人客で賑わっていた。一般の中国人の感覚としては、たとえ領土問題に腹を立てていたとしても、「自分の食べたいものは食べる」ということだろう。

 日本人だって同じはずだ。中国のことをどんなに嫌う人でもラーメンは好きだろうし、中華料理店に足も踏み入れないと言う人は僅かなはずだ。もっとも、日本のラーメンは独自に発展してきたので、もはや“和食”と呼んだ方がいいかもしれない。

外で和食を食べる頻度は「月に1度」以上が8割

 和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことは、日本の食材を世界に売り込むことに追い風となるはずだ。実は日本の農林水産省は日本食や食文化を普及させるプロジェクトを世界で取り組んでいて、関連するイベントを11月15日から5日間連続して上海で開催した。

会場では様々な日本食が提供されたが、刺身や天ぷらの人気が高かったようだ。カメラを向けると「オイシイデスネ~」などと片言の日本語で答えてくれる人が多かった(写真:坂田亮太郎、以下同)

 「本物の日本食はここから」と題するイベントには、5日間で延べ2000人近くの中国人が参加した。事前に参加の申し込みが必要だが、無料で本物の和食が堪能できるとあって会場は賑わっていた。

 そこで会場に来ていた中国人に声をかけて日本食に関する簡単な質問をした。美味しいものを食べているせいか、ほとんどの人は笑顔で答えてくれた。

 外食をする際、どのくらいの頻度で日本食を食べているかと尋ねた結果が下の円グラフだ。一番多かったのが「月に1回」で43%を占め、2番目に多かったのが「月に2~3回」の39%だった。一般的な中国人と比べた場合、この割合はかなり高いと言える。このようなイベントに自ら申し込んでやって来るわけだから、日頃から和食に親しんでいる日本食フリークが多いはずだ。

和食を食べる頻度
会場に来ていた中国人に聞いた「和食で日本食を食べる頻度」。回答数は70人と少ない

 次に、外で日本食を食べる際に1人当たりどれくらいの金額を使っているかを尋ねた。中には500元(約8400円、1元=16.8円で計算)と豪語した20代女性もいたが、多くの人は200元(約3400円)と答えた。

 私からすればこの金額でも高いと感じたが、よく行く日本食レストランが「食べ放題」と聞いて納得した。中国には、ランチタイムで98元(約1600円)、ディナータイムであれば198元(約3300円)で食べ放題サービスを提供する日本食レストランが多い。中華料理に比べて日本食は概して高いが、食べ放題でお得感を出そうとする店側の思惑もあるのだろう。

 こうした日本食レストランでは、スシや天ぷらだけでなく、しゃぶしゃぶや焼き鳥まで食べ放題だ。日本人として日本食が好きな人が増えることは喜ばしいが、懸念もある。こうした食べ放題の店で提供される日本料理はお世辞にも美味しいとは言えない。レベルの低い日本料理が外国でいくら広まったとしても、日本食の真の普及とは言えないからだ。

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「和食好き中国人が感じる和食の弱点」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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