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レッドブルの秘密は「秘密にしている」から価値がある

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2013年12月19日(木)

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 秘密主義のレッドブルに迫った書籍『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか』から日本人が何を学ぶべきか。本の解説を書いた一橋大学の楠木建氏と、元レッドブル・ジャパン・マーケティング・マネージャーの諌見祐子氏が語った。(協力:三省堂書店有楽町店、写真:中野和志)

楠木:この本の中には、レッドブル創業者のディートリッヒ・マテシッツ氏に関するエピソードがたくさんあるわけですが、これらが彼の本当の姿なのかわからないですよね。それぞれのエピソードが食い違っているところもある。この会社自体が秘密主義で情報を公開しておらず、またマテシッツ氏自身の振る舞いの問題もあって、ミステリアスになっている。

諌見:どんな方か気になりますか?

楠木:僕の予想では、非常にヨーロッパ的な、ジェントルマンですね。

諌見:そうなんです。私は3~4回お会いしたことがありますが、とても気さくで優しくてチャーミングでした。

楠木:お会いしたことがあるんですか!

諌見:彼のことが好きでレッドブルで働いている人も少なくないかもしれません。

楠木:マシテッツ氏はきわめてヨーロッパ的な経営者。アメリカの新興企業の経営者にはいないタイプ。この本を読んでアメリカっぽくないヨーロッパ的な会社だなと思ったのは、僕が若いころヨーロッパの大学で教えていた経験があるからなんです。

諌見:そうだったんですか。

非アメリカ的なマーケティング企業とは

楠木:上場をまったく考えておらず、資本市場をあまり信用していないですよね。銀行からは金を借りないというぐらいですから。本当かどうかはわかりませんが、製造を請け負っている会社と契約書を交わさず、男と男の握手に価値があるという。弁護士があまり活躍してなさそうな会社。まったくアメリカっぽくないですよね。

楠木建(くすのき・けん)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。1964年東京生まれ。1992年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年より現職。専攻は競争戦略とイノベーション。著書に『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)、『経営センスの論理』(新潮新書)、『戦略読書日記』(プレジデント社)、『知識とイノベーション』(共著、東洋経済新報社)などがある。
諌見祐子(いさみ・ゆうこ)
オルタナジャパン株式会社代表取締役。東京女子大学文理学部英米文学科卒業。外資系のアパレルや食品、広告代理店を経て、2008年にレッドブル・ジャパンに入社。マーケティング・マネージャーを務める。その後退職して独立し、オルタナジャパンを設立。

 アメリカのマーケティング企業だったら、非常にハリウッド的になりますよね。その部門で働いている人の75%が弁護士になるような。弁護士が前面に出てくるような雰囲気がないところもヨーロッパ的だと思います。

 秘密主義といっても、マーケティング的には、秘密にしていることに価値があるんじゃないかと僕は考えています。つまり、この会社について、あらゆることを知ったところで、秘密なんてそんなにないんじゃないかと思いますよ。例えば、軍事産業のメーカーだったら、秘密だらけですよね。でも、純粋な消費財で、万人に愛されるものを作っているわけですから、そんなに秘密はない。

 サプライヤーがいて、マーケティングをして、経理の人がいて、という普通の事業活動なのですから。何か秘密があるというよりも、秘密にしておくこと自体が大切で、それがひとつのマーケティングである、と。つまり、消費者に伝えたいイメージ以外のノイズをカットすることができる。ここが秘密主義の本当の目的ではないかと思います。

諌見:マテシッツ氏と日本については、すごく面白いエピソードがあるんです。ある新聞のインタビューで、「日本にレッドブルが参入するのは、イタリアにパスタを輸入するようなものだ」と答えていたんですね。つまり、エナジードリンク発祥の地である日本は、ライバルも多く、参入するのはなかなか難しい、と。

楠木:それは面白いですね。「イタリアにパスタを輸入する」というたとえがいい。

諌見:そのインタビューだけ読むと日本には参入しないのかという印象なんですけど、その後2005年の暮れにレッドブルは日本市場に参入しました。

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