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チェルノブイリ消防士の母は笑わない

命を落とした息子と残された家族の今

2013年12月17日(火)

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プラヴィク中尉の父、パーヴェルさんと母、ナターリアさん

 東北の津波被災地を歩いていると、津波にのまれて無残な姿になってしまった消防車を見かけることがあった。あの日、人命救助のために向かった消防車だと思うと何とも言えない気持ちにさせられる。

 消防士とは言うまでもなく命がけの職業である。昨年、私が福島県南相馬市に住んでいた時、いろいろなイベントを企画した縁で、南相馬市の消防士に参加してもらう機会やその家族らと知り合うことが多かった。震災当時、たまたま南相馬市にいることができなかった消防士の無念、震災後も避難せずに地元に踏みとどまる使命感、そんな消防士の息子を誇りに思う父親の胸の内など、聞く話はすべて感慨深かった。

 そんな中に、妻と幼い子どもを県外に避難させ、自分だけが地域の安全を守るために南相馬市に残り、休みになるたびに家族のもとへと駆けつけている消防士がいた。数日間、外国と南相馬市の文化交流を行ったのだが、その時に出会った人だ。

 交流事業の旅の間、いつも家族の話をしていたその消防士が、帰国後、待ち切れなかった様子で、出迎えに来た奥さんと子どもと一緒に去っていく姿には、とても心を打たれた。家族を思う気持ちも地域社会で果たすべき消防士としての使命感も、どちらも強い。当時はまだ独身だった私だが、この原稿を書いている今では結婚して出産を控えており、家族を思う彼らの気持ちが一層分かるようになった。

チェルノブイリ事故に出動した消防士の遺族を訪ねた

 胎動を感じ始めて間もない10月のはじめ、私はウクライナのキエフ郊外に向かった。チェルノブイリ原発事故で命を落とした消防士の遺族を訪問するためだ。

チェルノブイリ原発労働者の町スラブチチ市にあるプラヴィク中尉の遺影

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「チェルノブイリ消防士の母は笑わない」の著者

宮腰 由希子

宮腰 由希子(みやごし・ゆきこ)

ロシア語通訳

ロシア語通訳、NGO「ダール・アズィーザ」事務局長。1983年青森県弘前市生まれ。17歳の時にチェルノブイリに行き現地を視察。2002年~08年、モスクワ国立大学留学。現在はキエフに滞在中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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