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どうする田舎の実家や不動産

節税対策のアパートも裏目に~親の危ない遺産10(1)

  • 日経ビジネス編集部

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2013年12月19日(木)

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 相続の手続きをどうにかこうにか無事に終え、やっと平安が訪れたと思ったところで襲いかかる次の罠。「親の負の遺産」によるトラブルの発生だ。圧倒的に多いのが、不動産絡みのトラブル。さらには、自社株、借金、墓、話題の非嫡出子、引きこもっている兄弟…。エドヴァルド・ムンクの名画「叫び」のように、顔をゆがめて驚愕の叫び声を上げたくもなる。とりわけリスクが高い10のケースを取り上げ、3回シリーズで紹介する。思い当たるフシはないだろうか。

 空いた土地があれば賃貸経営すべし──。手持ちの資産を圧縮し、土地や建物にかかる税金が大幅に軽減でき、なおかつ、家賃収入が見込めるこの相続税制上、最大の節税スキームは、古くから資産家の間で定着してきた。だが「転ばぬ先の杖」のはずの賃貸経営が、相続が終わった後、思わぬ悲劇を招くことがある。

そして、学生入居者は去った

 「青天の霹靂。この地に大学ができてまだ25年。そんなに早くに移転なんて、想定外も想定外」。愛知県・黒笹駅前でワンルームアパートを経営するAさんはため息交じりでこう話す。

 名古屋から電車で1時間。愛知大学は2012年、この場所にあったキャンパスを、名古屋駅徒歩10分の新設地に移転。約3500人が三好キャンパスに通っていたが、そのすべてが移転と同時に街から消えた。

 Aさんはこの地の地主の1人。親が生きていた15年前、地元の不動産会社から「大学ができたばかりだから、学生相手のワンルームがいい」とのアドバイスを受け、全16戸の賃貸アパートを建設した。この頃、多くのハウスメーカーの営業マンがAさん宅にアパートのセールスに訪れていた。

 この「相続対策の定石」をAさんの親は、信じて疑うことはなかった。資産家が相続を迎えるタイミングでの、アパート経営は、ごく一般的な流れだ。

 アパートの、1部屋当たりの賃料は「8畳バストイレ別」で月4万9000円。この地では少し高めだが、大学移転前までは、ほぼ満室が続いた。愛知大学のほかに、近隣の別の大学の学生で、アパート全体を分け合っていた。ところが、愛知大学の移転と同時に、入居者の半分が退去する憂き目に遭う。

 空室を埋めるために、Aさんは賃貸料を4000円下げるが、大学撤退から1年半が経つ今でも、まだ5戸が空室だ。「かつて、土地の評価額が上がってハウスメーカーや銀行から資産家などとおだてられ、賃貸に手を出したが、この有り様」(Aさん)。

 実は今、愛知大学と同様の、「キャンパスの都心回帰」が全国で相次いでいる。特に東京、大阪では1970~90年代、地方との格差是正のために、国が都心部における大学建設の規制を強化した。第2次ベビーブームの影響もあった。都心キャンパスでは手狭になり、結果的に多くが、郊外にキャンパスを移すことになった。にわかに沸いた地方の学園都市整備で、地元の地主の間で、賃貸経営が急増していく。

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