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バス路線をデータ分析で復活

ビッグデータ活用に勝機を見いだした企業の挑戦

2013年12月24日(火)

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 ビッグデータといえば超大手の企業だけが活用できる高価な“武器”と思われがちだが、実は地方や中堅の企業にも活用の余地が大きく、実際に効果を上げ始めている。赤字路線の解消や顧客減少への対応、競合大手への対抗--。データ活用に乗り出し、経営課題を解決した5つの取り組みに学ぶ。

 小江戸と呼ばれる埼玉県川越市に本社を置き、バス事業を展開するイーグルバス。同社は大手バス会社が撤退した路線を、ビッグデータ分析によって蘇らせた。収益が見込めるルートやバス停の位置をデータ分析によって見いだし、大胆に変更。2010年には路線バスの利用者数がついにプラスへと転じたという。

バスの利用データを分析し、停留所を動かす

 バス会社はいったん決定した停留所を変更したり、追加したりすることは、まずない。イーグルバスはデータで裏付けることで、このタブーを乗り越えた。

イーグルバスは乗客データを収集して、実際の利用状況を分析した

 同社は、日々運行する自社のバスを通じて、大量のデータを集めた。ルート上での位置を知ることができるGPS(全地球測位システム)、出入り口に乗車人数を割り出す赤外線乗降センサーを設置。これらのデータを携帯電話回線経由で取得したうえで、事細かに分析。「Aの停留所は最近利用者が減った気がする」という“KKD”(勘と経験と度胸)ではなく、実データで裏付けた。

 乗客を1人も乗せずに運行している区間や利用が増えている停留所など、路線バスの採算改善に直結する情報を可視化したのだ。停留所の廃止や増設、便数や運行時刻の変更などの経営判断に活用できる。

 顧客の利便性にも配慮する。例えば、新たなレジャー施設の設置に伴って停留所を増設した結果、ルートが変わって所要時間が3分ほど増えるケースが出た。そこで、朝の時間帯に利用がないバス停を割り出して、そこを通過する急行便を投入。逆に2分間の運行時間短縮につなげたという。

 分析するに値するビッグデータをどう集めるか――。中小企業におけるビッグデータ活用で共通の課題だろう。イーグルバスは自社のバスを「走るセンサー」に変えて乗客の利用データを収集したのだ。

 同様に顧客データを可視化したのが、志賀直哉の「城崎にて」で有名な兵庫県の城崎温泉である。観光客が自ら行動データを提供する仕掛けを作り上げ、有効に機能している。

温泉街の顧客の行動を可視化する

 地方の温泉街を訪れる顧客は年々減っている。こうした中、城崎温泉は、宿泊客の行動データを活用して、1400年の歴史を持つ温泉街の活性化を図っている。

 カギを握るのが“個客”の識別である。城崎温泉は7つの外湯を、宿泊旅館のゆかたを着て巡るのがウリとなっているが、新システム「ゆめぱ」を利用し、現金や複数枚の入浴券を持ち歩かずに楽しめるようにした。

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「ビッグデータ活用を経営視点で考える」のバックナンバー

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「バス路線をデータ分析で復活」の著者

市嶋 洋平

市嶋 洋平(いちしま・ようへい)

日経ビッグデータ副編集長

日経コンピュータ、日経コミュニケーション、日経新聞などを経て、2012年11月にビッグデータ・プロジェクトを立ち上げた。企業のデータ活用促進やデータサイエンティストの人材育成などに取り組む。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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