• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

野生のテングザルの研究フィールドに行ってみた!

京都大学霊長類研究所(1)

2014年1月21日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

天狗を彷彿する長い鼻。ぽんぽこりんの太鼓腹。川に飛び込む豪快なダイビング――。姿も行動もユニークなテングザルを、マレーシアのボルネオ島で3500時間以上も観察し、霊長類で初となる反すう行動をはじめ、次々と新たな発見と仮説を生み出している松田一希先生の研究フィールドに行ってみた!(文・写真=川端裕人)

 テングザルは、様々な意味で不思議な霊長類だ。

 まず、外見。和名の「天狗」を彷彿する長い鼻は一度見たら忘れられない。特にオスの鼻は大きい。「唇が隠れてしまう」ほどだったという、芥川龍之介の「鼻」の主人公に匹敵する。

 おまけに、ぽんぽこりんの太鼓腹。オスの方がメスよりも2倍も重たく鼻も立派になる「性的二形」(雄雌によって姿形が大幅に違うという意味)も含めて、こと「見た目」ついて話題に事欠かず、まるで物語の世界から飛びだしてきた存在のように思える。

 その他の面でも、目を惹くポイントがたくさんある。

川に飛び込むテングザル(撮影:大谷洋介)

 ボルネオ島だけにいる固有種で、川に強い愛着を示す。川に近い森を群れで動きながら暮らすが、夕方は必ず川沿いに戻ってきて朝までそこに留まって眠る。そして、しばしば、何かのきっかけがあると、集団で次々と川に飛び込み、対岸へと泳ぎわたる行動をとる。10メートル以上の木々からの豪快なダイビングは、テレビなどで見たことがある人も多いだろう。

 さらに、食べ物の嗜好の極端さ。リーフイーター(葉を食べる動物)極まれりというほど葉っぱばかりを食べていると長らく思われており、間違って甘い果実などを与えると、葉を消化する共生微生物のために腹の中で異常発酵が起こり、死んでしまうという説まである。

 おまけに希少種だ。絶滅危惧の度合いが高いワシントン条約の附属書Iに指定されていて、日本では横浜の動物園ズーラシアでしか見ることができない。

 しかし、野生の群れを見るのは、その場に行けば、比較的簡単だ。川沿いの木々の上で眠る習性から、夕方か朝にウォッチング船に乗れば、たいてい船から見ることができる。生息地に近い、スカウ村では観光産業が育っており、複数の業者がテングザルを見るためのボートを出している。

 ぼくは2010年にスカウを訪ね、はじめて野生のテングザルを見た。そして、気鋭の霊長類学者で、テングザル研究の若き第一人者、松田一希さん(現・京都大学霊長類研究所助教)と出会った。

 再訪して松田さんのフィールドを見せていただく相談はずっとしていたのだが、このたび、やっと実現した。

京都大学霊長類研究所助教の松田一希さん。
8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識
川端 裕人(著)、三島 和夫(著)

 睡眠の都市伝説を打ち破り、大きな反響を呼んだ「睡眠学」の回が、追加取材による書き下ろしと修正を加えて単行本になりました! 日々のパフォーマンスを向上させたいビジネスパーソンや学生はもちろん、子育てから高齢者の認知症のケアまでを網羅した睡眠本の決定版。睡眠に悩む方々は、本書を読んでぜひ理想の睡眠を手に入れてください。

コメント0

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「野生のテングザルの研究フィールドに行ってみた!」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長