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マングローブ林にもテングザル

京都大学霊長類研究所(4)

2014年1月24日(金)

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天狗を彷彿する長い鼻。ぽんぽこりんの太鼓腹。川に飛び込む豪快なダイビング――。姿も行動もユニークなテングザルを、マレーシアのボルネオ島で3500時間以上も観察し、霊長類で初となる反すう行動をはじめ、次々と新たな発見と仮説を生み出している松田一希先生の研究フィールドに行ってみた!(文・写真=川端裕人)
スカウのテングザル。

 さて、松田さんの研究は、テングザルというただ1種の動物を軸にして、あちこちに枝葉を伸ばす。アフリカのコロブス亜科を見に行ったかと思うと、松田さんにとってまさに「地元」であるボルネオ島でも、更に研究の範囲を拡大しつつある。

 最初の調査地であるスカウ村近くの森は、いわゆる二次林だ。まったく人の手が入っていないわけではなく、地元の人たちが木材を調達するなどして活用してきた。それによって手つかずの天然林とは木々の種類も違っている。日本で言えば、里山の雑木林のようなイメージだ。

 一方、ここ数年、開発しつつある新しいフィールドは、キナバタンガン川のさらに下流にある。ボートで下れば1時間ほどで到着するアバイ村の近くのマングローブ林。海に近く、潮の満ち引きの影響で、満ち潮の時に海水まじりの水(汽水)が冠水するエリアに発達している。

 この4月、松田さんから「テングザルにGPSテレメトリーをつけるのに成功しました!」というメールが届いたのだが、それを行ったのはスカウ村ではなく、河口に近いマングローブ林の方だった。なお、テレメトリーというのは、要するに無線機のことだ。取り付けておけば、いつでもどこにいるのかすぐに分かり大変便利である。

 テレメトリーの取り付けには、一時捕獲しなければならない。地元政府機関であるサバ州野生生物局の獣医師チームと一緒に、野生の若いオスを捕らえて麻酔をかけ、その際、胃内容物の採取なども行った。写真も見せてもらったところ、なかなか大がかりな作業だったようだ。アウトブレイクスーツのような防護服を着て作業を行ったのは、むしろ、テングザルを人間が持っている病原菌、ウイルスから守るため。松田さんを含む「中の人」は、さぞ暑かっただろう。

テングザルにGPSテレメトリーをつける。テングザルを守るため、接触の多い獣医師はアウトブレイクスーツ並みの防護服を着ている。(出典:野生生物局Dr. S. Nathanをリーダーとする獣医師チームとの共同研究)
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「マングローブ林にもテングザル」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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