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テングザルから問う「人間とはなにか」

京都大学霊長類研究所(6)

2014年1月28日(火)

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天狗を彷彿する長い鼻。ぽんぽこりんの太鼓腹。川に飛び込む豪快なダイビング――。姿も行動もユニークなテングザルを、マレーシアのボルネオ島で3500時間以上も観察し、霊長類で初となる反すう行動をはじめ、次々と新たな発見と仮説を生み出している松田一希先生の研究フィールドに行ってみた!(文・写真=川端裕人)

 霊長類研究は、人類に近い動物の研究であって、人間を知る鏡であるという側面もある。特に、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータンなどの大型類人猿の研究は人類学と密接にかかわっている。ほかの霊長類研究も、しばしば、「人間とはなにか」を問う時に参照される。

 実はテングザルも、そうだ。今までほとんど言及しなかったが、この点にも松田さんはかかわっている。

 「重層化社会っていうんですが、人間がその最たる例で、家族という最小単位のグループがあって、そのまわりにも小さな社会があって、それがもっと高次の社会の一部になっていたりしますよね。霊長類でそういうのって意外と少なくて、人間の他には、ゲラダヒヒ、マントヒヒ、シシバナ属のサル(キンシコウなどを含む少なくとも3種)、そして、テングザルなんです。テングザルって、1頭のオスが複数のメスと一緒にいるハレム型だと思われていたんですが、それが川沿いの泊まり場などで、一緒になって重層化しているように見えるんですね。森の中ではその重層化が不明瞭になるので、ゲラダヒヒなんかとはまた違うものかもしれないんですが」

 じゃあ、チンパンジーは? ゴリラは? と疑問に思うわけだが、チンパンジーは多夫多妻の群れ、ゴリラは基本的に一夫多妻のハレム型だが、それらを束ねる高次の社会があるわけではない。なぜ、ゲラダヒヒ、マントヒヒ、キンシコウなどのシシバナ属、そして、テングザルなのかと不思議だが、このあたりに目を付ける研究者は昔からいた。宮崎県幸島にてニホンザルの文化的行動を発見したことで有名な河合雅雄京都大学名誉教授(霊長類研究所元所長)など、「ゲラダヒヒは人類進化の隠れ里」という名言を残しているそうだ。だから、テングザルも、人類進化の隠れ里かもしれないのである。

 では、松田さんは、こういった「大きな風呂敷」についてどう考えてきたのだろうか。

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「テングザルから問う「人間とはなにか」」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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