• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

沈静化したセール後ろ倒し論争

前倒しの傾向は収まる気配なし

2014年1月15日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「大山鳴動してネズミ一匹」。セール後ろ倒し問題に対して筆者はこんな感想を持っている。正確にいうならネズミ一匹すら出なかったという感じである。三越伊勢丹ホールディングスとJR東日本グループのルミネが、夏冬のセール開始時期が年々、前倒しされることに対して抗議の声を挙げた。これがセール後ろ倒し問題の発端だ。

 今冬のセールは商業施設の多くが1月2日から、郊外型ショッピングセンターと一部の都心ファッションビルは1月1日からとなった。一方、三越伊勢丹は1月15日から、ルミネは1月9日からのスタートとなっている。

 セール後ろ倒しの宣言が出てからこれまで、業界を挙げての論争がなされた。筆者は三越伊勢丹やルミネが掲げる「産地保護」は単なる方便に過ぎず、偽善ではないかと感じるのでまったく支持する気にはなれない。ただ、ブランドメーカー側からするとプロパー(定価)販売の期間が年々短くなることに対する不満があった。これはその通りである。

プロパー期間はわずか3週間

 一例として今秋冬商戦のおさらいをしてみよう。今秋もここ数年と同様に暑い日が続いた。一旦猛暑日は治まったものの、10月末までは暑い日が続いており、長袖の秋物は売れにくい状況が続いていた。筆者のような暑がりの人間からすると、11月10日ぐらいまではけっこう暑く感じたと記憶している。11月上旬くらいまでは秋冬物を買う必要がなかった。

 11月10日前後にやっと秋らしい気温になったのもつかの間、12月5日前後からプレセールが開始された。以前だとプレセールは12月10日ごろからの開始だったが、今年は数日早いように感じた。おそらく秋の高気温が原因で秋冬物販売に苦戦しているブランドが多かったため早まったのだろう。そして1月1日・2日からは本格的な冬バーゲンの開始である。

 このタイムスケジュールに照らし合わせてみると、通常、秋物は8月半ばすぎに投入される。しかしこの時点で秋物を買う人はあまり多くない。なぜなら最高気温は30度を超えており、まだまだ暑いからだ。よほど気合を入れてオシャレをする人以外は、季節を先取りした商品を着用できる気温ではなく、7月のバーゲンで購入した夏物で十分過ごせる状況だ。

 9月になっても例年、気温が高いままだ。幸運な年だと10月10日過ぎぐらいから秋らしい気温になり始めるが、この数年間はそんな気候ではなかった。先ほども書いたように11月10日ごろまで高気温が続いていた。

 最近の消費者は体感温度に合わせてしか衣料品を購入しないから、暑い時期が長く続けば続くほど長袖は売れないということになる。今年の気温で考えると、11月10日ごろまでは秋冬物が売れる気候ではなかった。11月10日ごろに幾分涼しくなったところで1カ月後の12月上旬からはプレセールが始まるのだから、よほど欲しい商品以外は11月中には買わない。その「よほど欲しい商品」というのもせいぜい1枚あるかないかであろう。11月10日の時点では多くの消費者が12月上旬のプレセールに照準を合わせているはずだ。

コメント4

「「糸へん」小耳早耳」のバックナンバー

一覧

「沈静化したセール後ろ倒し論争」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長