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国の成長戦略はオジサン官僚のロマンに過ぎない

「祝詞」は流し聞きするだけでいい

2014年1月17日(金)

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 この連載では世の中の常識、権威アリとされるモノを俎上にのせ、斜めからヨコから眺めなおしてみる。そこから次へのヒントを探っていく(なお、昨年6月から半年間、計25回お読みいただいた「上山信一ゼミのすぐそこにあるブルーオーシャン戦略」は年末で完結しました)。

 さて、初回は政府の「成長戦略」を俎上に載せてみた。最近は、自民党も民主党も新政権になると「成長戦略」を最大の政策課題に掲げる。だが、日本はどうみても成熟国家である。「アジアに負けるな」だの、「新たな成長」だの、ちょっと無理があるのではないか?

 私は、政府がかかげる成長戦略とは、いわゆる祝詞(のりと)か、雨乞いの呪文のようなものだと思う。それ以上でもそれ以下でもない。

 もちろん資本主義国家を経営するなら、企業と同じく将来への期待を抱かせるビジョンを内外に示す必要がある。またそのシナリオ、つまり国家戦略は成長を前提にしなければならない。

 ゼロ成長やマイナス成長を前提にしたら、その時点で「資本主義国家なんかもうやめたら?」となってしまう。だからGDP(国内総生産)の拡大は無理かもしれないと思っていても、歯を食いしばって成長戦略を掲げる。それが資本主義国家の運命(さだめ)なのである。

成長分野(ターゲット)なんか決めてもムダ

 しかし、だからといって「経済成長が大事です」とか「これから成長する分野はこれです!」と政府が先導する必要はないだろう。なぜなら、成長する産業分野は、政府なんかに担がれなくても勝手に成長する。もともとニーズがあるのだから。

 たとえば、医療や科学技術が成長分野に掲げられている。しかし、科学技術とは本質的に進化し成長するものであり、もともと停滞しない。医療も、技術の進歩と人口の高齢化で放っておいても拡大する。要するに、政府の方針と関係なく伸びる。そして、成長しない産業は国家がどれだけ笛を吹いても成長しない。「そうか。わが○○業界は政府の“成長分野”に指定された。よし、頑張ろう」と思う経営者なんかめったにいない。

コメント37件コメント/レビュー

「公共事業で国民の仕事を増やす。そうすれば企業ももうかり、賃金が上がり、まわりに波及し、乗数効果があがります。賃金は政府が脅迫して上げさせるものではなく、仕事が増え、人手不足になれば、自然と上がるのです。」人手不足になるまで、仕事を増やさないから、賃金が上がらないのですよ。日本人って刷り込みに弱いんじゃないか?少子高齢化で日本がだめになると言われると、深く考えずに感覚で信じ込む。財政赤字で破綻すると言われると信じ込む。日本はもう経済成長しないと言われると、信じ込む。企業は人民の分まで利益を食いあさるという左翼論理をいまだに信じ込む。企業はもうけが第一目標だから、人手不足でみすみすもうけを他社に取られたくないので、人員を増やそうとする。したがって、賃金が上がるのですよ。よく日本はこれだけ先進国になったから成長しないとか、日本の賃金は海外に比べて高いから、もう上がらないと言いますが、そういう人に、どこまでの経済大国になったら上がらないのか、どの程度の格差があると賃金が上がらなくなるのか、実際に数字を上げて説明した者は聞かない。日本人は文系的で、なんとなく子供が減れば経済成長しないよなあ、みたいなことで物事をとらえるから、だめなんですよ。ナチスの広告戦略がもっとも有効な国ですな。ウソも百回言えば真実になる。大きなウソをつけば、逆に信じられる。日本の政治家、官僚、マスコミ、経済学者は皆「ゲッペルス」じゃないのか?(2014/01/18)

「上山信一の“あまのじゃく”改革談義」のバックナンバー

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「国の成長戦略はオジサン官僚のロマンに過ぎない」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「公共事業で国民の仕事を増やす。そうすれば企業ももうかり、賃金が上がり、まわりに波及し、乗数効果があがります。賃金は政府が脅迫して上げさせるものではなく、仕事が増え、人手不足になれば、自然と上がるのです。」人手不足になるまで、仕事を増やさないから、賃金が上がらないのですよ。日本人って刷り込みに弱いんじゃないか?少子高齢化で日本がだめになると言われると、深く考えずに感覚で信じ込む。財政赤字で破綻すると言われると信じ込む。日本はもう経済成長しないと言われると、信じ込む。企業は人民の分まで利益を食いあさるという左翼論理をいまだに信じ込む。企業はもうけが第一目標だから、人手不足でみすみすもうけを他社に取られたくないので、人員を増やそうとする。したがって、賃金が上がるのですよ。よく日本はこれだけ先進国になったから成長しないとか、日本の賃金は海外に比べて高いから、もう上がらないと言いますが、そういう人に、どこまでの経済大国になったら上がらないのか、どの程度の格差があると賃金が上がらなくなるのか、実際に数字を上げて説明した者は聞かない。日本人は文系的で、なんとなく子供が減れば経済成長しないよなあ、みたいなことで物事をとらえるから、だめなんですよ。ナチスの広告戦略がもっとも有効な国ですな。ウソも百回言えば真実になる。大きなウソをつけば、逆に信じられる。日本の政治家、官僚、マスコミ、経済学者は皆「ゲッペルス」じゃないのか?(2014/01/18)

おじさんの浪漫という代の老人の浪漫を書いてどうしたいのかさっぱり判らん官僚が格好良かった時代など無い国民を騙し国民を食い物にしてきた歴史しかないじゃないかはっきり言って犯罪組織は犯罪組織以上にはなれないんじゃないのか(2014/01/18)

論点がずれてしまい申し訳ないのですが、「女性が働くのはいいが母親が働くのは反対。まともに働ける人間を育てるのは片手間では無理」という下の方の意見が非常に気になりました。ニートの母親の多数が兼業主婦だとおっしゃりたいのでしょうか?彼等が働かないのは母親の教育が悪かったからなのでしょうか? 20年以上前から女性の社会進出が進んでいるアメリカは、日本と比べてずっとお母さんに対するハードルが低いです(子供の弁当は基本サンドイッチとジュース。大きな乾燥機・食器洗い機・生ごみ処理機完備。高校生のベビーシッターに車で子供の送り迎えをさせるなど)。そんな母親の元で育った大人が今アメリカの中堅社員となり、専業主婦のお母さんの下で育った日本の社員よりもずっと稼いでいます。むしろ高学歴共働き夫婦の子供の方が高学歴高収入という統計もあります。アメリカの子供の食生活は私も問題だと感じていますが、はたして本当に子供の側にずっといて面倒を見てあげれば、子供は「まともに働ける大人」になると言えるのでしょうか?専業にするか兼業にするかは家庭の自由ですが、母親だけに責任を擦り付けるよりも、両親共にきちんと面倒を見て、たくさん愛情を注ぎ、仕事の大変さとやりがいを示す方が、よっぽど大事だと思います。(2014/01/18)

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三品 和広 神戸大学教授