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中国調達バカと生産回帰バカにつけるクスリ

生産は戻っても雇用は戻らないアメリカに学ぶ

2014年1月22日(水)

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約30%無くなった日本の中小製造業者

 製造業の製造原価のうち6~7割は外部調達品、あるいは外注費が占める。1980年代から急速に進んだ円高により、日本の製造業は海外調達を進めた。海外調達先のメインとなるのは中国であり他のアジア諸国だった。さらに自動車業界や電機業界は生産拠点すらも中国・アジアに移管し、現地調達を加速させた。そして日本の空洞化が決定的になった。

 その影響を最も受けたのは日本の中小製造業者だった。少し昔のデータではあるが、2000年を1としたときの2010年の会社数を比較してみると、資本金100億円超の企業数はさほど変化していない(経済産業省の工業統計調査より)。これに対し、資本金5000万円以下の企業数はなんと0.729と激減している。

 では日本の中小製造業者とどう付き合っていくべきだろうか。調達・購買の世界ではサプライヤーマネジメント(=取引先管理)がこれまで以上に重要視されている。新興国を中心とした安価な取引先に舵を切るのか、あるいは国内取引先保護を考慮すべきなのか。それが少なくとも2010年代初頭までの問題意識だった。

アメリカで起きている生産回帰

 実はこのところ、新たな潮流が報じられている。リショアリング(Reshoring)だ。リショアリングの逆はオフショアリング(Offshoring)。オフショアリングは、業務・生産の一部を海外に移管・委託することを指す。つまりリショアリングとは、業務・生産を自国に引き戻すことを意味している。このリショアリングが、生産回帰として欧米を中心として喧伝されている。

 アメリカは2000年代に、海外で240万人の雇用を作り、自国で290万人の雇用を失ったといわれる。著者の周りでも、わずか数年前まではアメリカ内に製造業は戻らないとする意見が多数で、シンポジウムなどでも同様の意見を聞いた。そこにきての生産回帰だ。

 ではリショアリングは、欧米でどう報じられているのだろうか。

 まず目につくのが好意的な評価で、いくつかのソースでそのように報じている。製造業向けのニュースサイト、Manufacturing.netでは「電機業界の生産拠点はアジアだと思ったら、間違っているだろう」と報じている。その理由として

・中国労働者賃金の年二桁上昇
・中国における海外企業への優遇税制の終了
・エネルギーコストの上昇

をあげている。

 中でも、中国労働者賃金の上昇は顕著だ。中国の平均時給は2000年の0.5ドルから、2015年には4.5ドルになると予想されている。2011年にボストン・コンサルティング・グループが、「2015年には中国とアメリカのコストが拮抗する」としたレポートも、その裏付けになるかもしれない。

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「中国調達バカと生産回帰バカにつけるクスリ」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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