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そこまでトイレに快適さはいるの?

中国で温水洗浄便座が急速に普及しないワケ

2014年1月23日(木)

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 朝、上海の自宅でパソコンを起動し、チャットツールを立ち上げると、まるで待ちかまえていたかのようにすぐさま、中国人の知り合いが話しかけてきた。「個人的に話したいことがあるんだけど、いいですか」と。昨年12月27日のことだ。

 いやな予感がした。というのも、その前日、安倍晋三首相が靖国神社を参拝していたからだ。

 話しかけてきた中国人は、上海に住む30歳前後の男性。仕事上の付き合いは割りにある方だが、プライベートな話は、仕事のついでにチャットで年に数回する程度。それがこのタイミングで朝一番に、日本人の私に「個人的に話したいこと」とは何か。靖国参拝にまつわる話かもしれない、との考えが頭をよぎるのは自然なことだろう。

 2012年の反日デモ以降、中国市場で落ち込んでいた日本製品の売り上げに回復の兆しが見え始めたとの報道がちらほら出始めていたが、それも今回の参拝でどうなるのだろう。そんなことを考えていた矢先のことだった。

 一つ大きく息を吸ってから、「どうぞ」と書き込んだ。そして身構えた。

 しばらくして画面に現れた相手の書き込みには、こう書いてあった。

 「TOTOの『ウォシュレット』って、とってもいいって聞いたんだけど、実際にはどうなんですか?」

 体中から力が抜けた。日本製品の排斥どころか、買いたい、という話だったのである。

“洗う”ってどこを洗うの?

 聞けば、奥さんが初夏に出産を控えているのだが、洗浄便座は衛生的だし、お腹が大きくなる妊婦にはとても便利だと聞いた。中でも、TOTOのウォシュレットはネットでも評判がいいようだが、実際に使ったことのある人から話を聞きたかったのだという。

 上海でウォシュレット、中国語では「衛洗麗」(ウェイシーリー)を見かけるようになったのは2005年前後のことだったと思う。香港を代表する女優、ケリー・チャンをイメージキャラクターに使用。「你開始洗了嗎」(あなたはもう、洗い始めましたか?)の大胆なコピーを大スターにつぶやかせた巨大広告を、上海有数の繁華街、地下鉄陝西南路駅の真上にある映画館の屋上に掲示するなど、宣伝に努めていた。

 ただ、日本人にはもはや説明する必要がないほど浸透している洗浄便座だが、当時の中国の人たちの中にはコピーを見て、「洗うって、いったい何を?」とピンと来なかった人も多かったと聞いた。せっかく大女優に大胆なセリフをつぶやかせても、日本人が期待したほどの効果はなかったのかもしれない。

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「そこまでトイレに快適さはいるの?」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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