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歴史はアホを繰り返さないための貴重な記録です

歴史を楽しんで読める本

2014年2月3日(月)

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 読者のみなさん、こんにちは。月に一度の書評コラムです。早いもので、年始の誓いを立てたと思ったら、もう2月になってしまいました。

 今月のテーマは、歴史です。僕自身、自他ともに認める歴史オタクですので、歴史に関する本はとりわけたくさん読んできたように思います。その中でも、選りすぐりと考える本を、ご紹介していきましょう。

アンダルシーア風土記』(氷川玲二著)

 本は何でもそうですが、歴史書も、面白くなければ読んでも全く意味がありません。つまらない本から読み始めてしまったら、それこそ歴史嫌いになってしまいます。そこで、まずはこちらの本を読んでみて下さい。『アンダルシーア風土記』(氷川玲二著)です。ここで「アンダルシーア」が意味するのはスペインのイベリア半島です。イスラム王朝が支配した時代に関するお話が中心です。学校で習った後ウマイヤ朝(756年~1031年)からグラナダ王国が滅ぶ1492年までの物語です。

アラビアンナイトの世界を味わう

 この本ではアンダルシーア地方の歴史を、カエサルも登場する古代ギリシア・ローマあたりからたどり、イスラムの台頭、後ウマイヤ朝の支配を経て、イスパニアの女王の使いで旅に出たコロン(コロンブス)がカリブ海の島、新大陸を発見する1492年あたりまでをたどっています。

 後ウマイヤ朝時代のスペインの支配者はまさに『アラビアン・ナイト』の世界に生きた人たちでした。『アラビアン・ナイト』は、美女や王の寵姫が活躍する物語です。実際、スペインのイスラム王家は、歌舞音曲を大変大事にしていました。

 アラブ人はもともとはストイックでけんかに強かったはずですが、スペインのように気候が暖かくてオレンジがたわわに実る国にやってきて、大勢の美女に囲まれて暮らしていたら、居心地が良すぎて、どんどん軟弱になっていった。そしてキリスト教国に押されがちになっていきます。

 とはいえ、アフリカには同じイスラムであるベルベル人の強い軍隊がいる。王朝の支配者たちは、支援をあおいでもう1度キリスト教国を撃破しようかなどとも考えます。しかし一方で「ベルベル人は確かに武力はあるが、アンダルシーアの妖艶で楽しい歌舞音曲の世界に浸りきっている自分たちを見たら、堕落していると思うに違いない。そして、我々をつぶそうとするのではないか」などと本気で悩むのです。

 そんな様子が描かれる本書は実に人間味あふれる良書ですが、残念ながら絶版なので、図書館や古本で入手してください。早く文庫本になってほしい1冊でもあります。

 「歴史を面白く」ということで、次の推薦本は、こちらです。『気候で読み解く日本の歴史』。

気候で読み解く日本の歴史』(田家康著)

 この本は、読み物としてどこから読んでも面白いのですが、「えっ、歴史ってそんなだったっけ?」と、まさに目からうろこがボロボロ落ちる点でも特筆に値します。

 源氏と平家は、なぜ源氏が勝ったのでしょう。僕らは、平清盛が悪い政治をしている間、源氏の方はじっと耐え、質実剛健に頑張っているなかで、源義経という天才的な武将が現れ平家は滅んだ、おごれる者は久しからず…と、そういう印象で覚えているでしょう。でも実際は、まったく違うのです。

コメント6件コメント/レビュー

小熊英二の『〈民主〉と〈愛国〉』は数年前に読みましたが、とても良い本でした。今の<愛国者>の<愛国>がいかに薄っぺらかよくわかります。(2014/02/04)

「出口治明の「ビジネスに効く読書」」のバックナンバー

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「歴史はアホを繰り返さないための貴重な記録です」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

小熊英二の『〈民主〉と〈愛国〉』は数年前に読みましたが、とても良い本でした。今の<愛国者>の<愛国>がいかに薄っぺらかよくわかります。(2014/02/04)

野口悠紀雄著の『一九四〇年体制』には戦前の1940年体制がずっと続いて来たと書かれているはずですが、なのに「日本という国は戦後新しくスタートした国」ですか?憲法は変えさせられましたが、首相も議員も変わらないのに?その論法で行くとフランスは1958年に発足した国になりますし、中国は1982年に発足したタカが30年程の歴史しか無いお国となりますな。中国の総書記はアホを繰返そうとしています。とても危険で毎日心配です。彼は中国が他国を侵略し続けていること、今でも植民地にしていることを認めようとしません。歴史観が司馬遷の宰相並です。(2014/02/04)

「歴史はアホを繰返さない為の貴重な記録」日本の政治家にこそ読ませる本ではないでしょうか。我々庶民は少々悪いことをしようが歴史に影響は与えません。しかし日本の宰相はアホを繰返そうとしています。とても危険で毎日心配です。彼は日本が他国を侵略したこと、植民地化したことを認めようとしません。歴史観が安土桃山時代の宰相並です。(2014/02/03)

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