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成果主義は、上司を管理するための道具だ!

草食系の日本企業には、いらない

2014年1月31日(金)

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 米国式の成果主義は、与えられた仕事をみんなでこつこつこなす“草食系企業”、つまり、たいていの日本企業にはそぐわない。あれは上司が理不尽でもバリバリ成長していくダイナミックな“肉食系会社”にしかなじまない。

A君かB君か・・・理不尽な選択

 『ソフィーの選択』(ウィリアム・スタイロン作)という小説がある。映画にもなった。ユダヤ人の女性にナチスの軍医が迫る。2人の子供のうち1人を選べ、その子の命だけ助けてやる、と。

 当然、彼女は選べない。そんな選択は絶対にしたくない…。悲惨さの度合いはこれとは全く比べものにならないが、理屈の上ではこれと同様の理不尽な“選択”が現代日本の大企業で起きている。そう、あの“成果主義”を入れてからである。

 ある工作機械メーカーで営業担当がA君からB君に代わったとたんに大口の注文が取れた。さて、成果はA君、B君、どちらのものか。直接的にはB君の頑張りによる。だが、A君の地道な努力が今になって花咲いたとみることもできる。

 いやいや、単に景気が良くなったせいかもしれない。たいていの場合、決定的な理由は分からない。物事はいろいろな要素が作用して決まっていく。しかし理不尽なのは、理由が分からなくても、上司の営業課長は甲乙を付けねばならないという現実である。

 そしてA君もB君もその結果に甘んじなければならない。イマドキの日本企業の成果主義には、どうしても、公平あるいは根拠薄弱というイメージがつきまとう。おまけに、近年は市場が縮み、多くの会社が成長できず業績がさえない。普通に頑張っていても、成果が出せないこともある。そんな人たちにマイナス評価がつけられるケースを仄聞するにつけ、「これはちょっと違うな」と思うのである。

昔はみんなで成果を出した

 多くの人が誤解しているが、高度成長期の日本企業にも成果主義はあった。ただし、あの頃は放っておいても企業は成長した。みんなで頑張っていれば成果が保証された。だから頑張りの象徴である勤続年数や「営業(あるいは研究、製造など)ひと筋何十年」といった分かりやすい指標が成果指標に代用され、人事や給与を決めてきた。

 あの頃はひとところに長く務め、日付が変わるまで残業したり、日曜も朝4時に起きてゴルフに行くなどの努力を重ねる我慢大会を勝ち抜くことが、出世の近道だった。なにしろ高度成長期である。机を並べて同じような仕事をせっせとしていれば、出てくる成果には大差はなかった。

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「成果主義は、上司を管理するための道具だ!」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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