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「起こるべくして起こった」アクセサリー偽装販売

問題の本質は百貨店の「消化仕入れ」と「催事依存体質」

2014年2月5日(水)

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伊勢丹、西武、大丸、松坂屋、京王が偽アクセサリーを販売

 先日、5つの大手百貨店で人気アクセサリーブランド「チャン・ルー」の偽物を販売したとして話題になった。昨年末の食品偽装問題に続いて百貨店への信用がゆらぐ事件といえる。

 もう一度おさらいしておくと、販売したのは伊勢丹の浦和店、松戸店、相模原店、府中店、西武池袋本店、大丸梅田店、松坂屋名古屋店、京王百貨店新宿店であり、この商品を卸したのはマルヤマ商会である。報道で映し出された画像を見ると、本物と偽物は明らかに異なる。商品自体は画像上では大きく変わらないように見えるが、付属品である袋や下げ札などは大きく異なる。まず、これが偽物だと見抜けなかったマルヤマ商会の仕入れ担当者の目利きに疑問を感じる。

 業界関係者は今回の事件に関して「起こるべくして起こった」と口をそろえている。

 「チャン・ルー」の正規輸入代理店はヤマツゥであり、マルヤマ商会は非正規代理店である。当然、並行輸入物を扱っていたと考えられるが、「並行輸入品=偽物」ではない。

 ただし、偽物をつかませられる可能性はそれなりにある。今回の件で、新聞報道などでは「百貨店で消化仕入れが主体となっていることが問題」と指摘されていたが、確かにそこが問題点なのだがちょっと一般の方にはわかりにくいと感じたので蛇足ながら思うところを書いてみたい。

 百貨店にはブランドの直営店以外に、“平場”と呼ばれる自主編集売り場がある。ここの商品は百貨店の仕入れ担当者が各メーカーから仕入れた商品がジャンルごとに集積されている。紳士服売り場ならスーツとかドレスシャツとかネクタイとかカジュアルシャツとかカジュアルパンツとかいう風だ。これらの商品は各メーカーから仕入れたという形となっているが、「買い取り」ではなく「消化仕入れ」という形態を採っている。業界ではこの「消化仕入れ」のことを「委託販売」と呼んでいる。

 通常、商品を仕入れる場合は買い取る。店頭価格3000円の商品があり、仕入れ価格が1800円くらいだったとする。これを100個仕入れた場合、決められた期日に百貨店はメーカー側に18万円を支払うことになる。百貨店の店頭でそれがいくら売れ残っても百貨店の在庫となり、基本的にはメーカー側に残った商品を返品することはできない。百貨店にはこんな商品がほかにもたくさんあるから、売れ残った際のリスクを考えてなるべく「買い取り」を回避する方向で仕入れることとなる。

 「委託販売」と呼ばれる消化仕入れは販売した分だけ代金を支払い、残った商品はメーカーに返品できるというシステムで、リスク回避したい百貨店各社はほとんどの商品をこの形態で仕入れている。

コメント4件コメント/レビュー

アクセサリー偽装も食品偽装も同根である。業者任せ、部下任せの経営者の無責任体制下でおきた事案である。何故こんなことがおきるのか、吉兆以来学習ができていない。コンプライアンスなんて舌をかむような言葉だけが一人歩きし、その本質が語られてこなかった嫌いがある。法令順守という日本語で語り、そしてその中身、それを達成する体制作り、そのための人事制度等、これらを怠ってきたから起こった事案である。今後も同様の事件が起こることは容易に予測できる。(2014/02/05)

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「「起こるべくして起こった」アクセサリー偽装販売」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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アクセサリー偽装も食品偽装も同根である。業者任せ、部下任せの経営者の無責任体制下でおきた事案である。何故こんなことがおきるのか、吉兆以来学習ができていない。コンプライアンスなんて舌をかむような言葉だけが一人歩きし、その本質が語られてこなかった嫌いがある。法令順守という日本語で語り、そしてその中身、それを達成する体制作り、そのための人事制度等、これらを怠ってきたから起こった事案である。今後も同様の事件が起こることは容易に予測できる。(2014/02/05)

流通業界では働いていないので単に客の立場から。残念ながら催事の方が客の受けが良いのは事実だと思う。また、服や鞄は年に1個未満しか買わない者もいるだろうが、生鮮品は当然多頻度なので低層階しか用が無い客も多いことだろう。北海道物産展が各地で頻発される理由もそこにあると思っている。が、言い換えると、委託であれ買い取りであれ、品揃えに問題があるということではないのだろうか。委託が主となれば、必然的に返品が増え、アウトレットが流行る理由の一因でもあろう。しかし、「消化仕入れ」と自称することで糊塗しているが、委託が主であれば仕入れているとは言えず「小売店」ではない。テナントはもちろん、表向き自社スペースであっても、事実上は単なる不動産業ではないか。百貨店不況とは、自縄自縛で、かつ自業自得という状況ではないのだろうか。(2014/02/05)

これはマルヤマ商会の商品の目利きではなく、デパート側の業者の目利きの問題ではないでしょうか。聞けば、マルヤマ商会はネットで複数の売主より仕入れていたとか。これでは素人のネットオークションと同じでしょう。消化仕入れであろうがなかろうが、デパートは出入り出店業者の「身体検査」として信用度、財務状況、仕入れルート、販売実績などをキチンと審査すべきところ、これはお粗末としか言いようがありません。偽装食材で話題の景表法の違反事例でも、仕入れ業者に偽装の責任があったとしても消費者との関係では販売者が責任を負うこととなっています。おそらくは、一つでもデパートに出店した実績があれば、他のデパートはそれを鵜呑みにして自らチェックを怠ったに違いありません。(2014/02/05)

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