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「女子は一般的に数学が苦手」は本当か

社会の期待、親の期待がもたらす学力格差

2014年2月12日(水)

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 女子高生の実験論文が海外の化学分野の学術雑誌に掲載されたり、女性科学者が万能細胞作製で注目されたりするなど、近年理系分野での日本人女性の活躍がメディアを賑わしている。

 しかしながら、日本では理系分野に進学する女子生徒はいまだ少数派だ。政府は理系に進学する女子高生を増やそうと様々な取り組みをしている。例えば、科学技術振興機構は、女子生徒の理系の専門分野への関心を高めることを目的とした「女子中高校生の理系進路選択支援プログラム」を運営し、大学で女子中高生のためのイベントを開き、ロールモデルとなる女性研究者を紹介している。

 理系の分野へ進学するためには数学の学力が必要であるが、経済協力開発機構(OECD)が2012年に日本を含む65カ国で51万人の15歳を対象にした学力診断テストでは、日本の15歳の女子生徒の数学の学力は男子生徒と比べると低いことが明らかになった。

 日本の生徒達の数学の平均点数は男女ともOECD29カ国中2位と、OECDの平均を大きく上回る。しかしながら男女間の平均点数の差は18点と、OECD29カ国の男女の点数の平均差11点を大きく上回っていた。

 男女間に数学の点数で差があることは多くの国で報告されているが、日本は先進国の中でも数学の点数での男女差が大きい。女子生徒が数学を苦手とするのは、なぜだろうか?また、女子生徒が数学を苦手とすることはなぜ問題なのであろうか?

数学と将来の収入の関係

 数学教育の男女差を問題視する理由の1つは、経済学の既存の実証研究で、数学教育と収入に正の関係があることが明らかにされてきたことにある。米ウェルズリー・カレッジのフィリップ・レヴィーン教授とウィリアム・カレッジのデビッド・ジマーマン教授は論文の中で、2万人の追跡調査のデータを用いて、高校で受けた数学の授業数と収入の間には一般的には弱い相関関係があるが、大学を卒業した女性については強い相関関係があることを明らかにした。

 つまり、大学を卒業した女性の給料は、高校の時にどれだけ数学の授業を受けたかに影響される。さらに、米カリフォルニア大学デイビス校のヘザー・ローズ准教授とカリフォルニア大学サンディエゴ校のジュリアン・ベッツ教授の研究は、高校でより難易度の高い数学の授業をとった人々は将来高い収入を得ることを示した。

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「「女子は一般的に数学が苦手」は本当か」の著者

田中 知美

田中 知美(たなか・ともみ)

合同会社エッジ代表

米ハワイ大学経済学科博士課程修了。カリフォルニア工科大学ポスドク、アリゾナ州立大学助教授、慶応義塾大学特任准教授などを経て現職。専門は行動経済学・政策実験。1969年長崎県生まれ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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