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近隣企業より2割増しの給料を目指す

ゴルフ場を経営する鹿沼グループ 福島範治社長(前編)

2014年2月13日(木)

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 世の中では、“賃上げ”への期待が高まっている。

 現政権は、デフレ脱却から経済の自立的成長へ転換するためには、企業の業績回復と所得向上による景気の好循環が必要不可欠と考え、産業界にこの賃上げを積極的に働きかけてきた。それに呼応するように、一部の大企業の中に、一時金やベースアップで賃上げを積極的に検討するところが出始めている。

 一方、地方の中小零細企業、特にその主体であるサービス業は、低賃金と長時間労働から脱却できていない。人口減少による客数減からくる過当競争が依然として激しく、ほとんどの企業で賃上げの前提条件となる業績すら好転できていないためだ。

 今、期待が高まっている賃上げの動きは、現実的には社会全体の中でごく一部の大企業に限られているのが現実だ。

 ところが、政府が取り組みを始めるずっと以前から、地方の一部の中小零細のサービス業では、賃上げへの動きが静かに始まっている。

 興味深いのが、この賃上げへの取り組みが、「企業の業績の回復の恩恵を社員達にも配分する」という現政権が目指す方向と真逆の動機から行われているということだ。これらの企業の経営者は、「会社としての成長を実現するためには、積極的に賃上げに取り組む必要がある」と考えているのである。

 企業として地域の中で激しい市場競争に勝ち残り、さらに会社が持続的に成長し続けていくには、能力の高い社員をどれだけ確保し、どれだけ長く働いてくれるかが経営戦略的に重要となる。特に、サービス業では、生産活動のほとんどが人手によって行われ、顧客満足の前提となるサービスの品質は社員の働きによってしか実現しない。利益も現場で働く社員達の生産性に大きく依存している。

 人の確保、離職率の低下、そして社員の生産性向上を実現するには、「賃上げ」などの社員の働く環境の整備が肝要、ということに一部の経営者たちが気付き始めたわけだ。

 これらの企業では、デフレ経済が深刻化していく中、現場作業の地道な生産性向上に社員と経営者が一体となって取り組み、それによって得られる収益を公平に社員達に分配するように人事制度を改革した。そして、賃上げや残業時間の削減を積極的に行ってきた。

 今回から始める新コラム「賃上げで勝つカイシャ」では、地方の中小零細のサービス業の経営者達へのインタビューを通じて、サービス業の賃上げに向けた生の声を紹介していく。第1回は、4つのゴルフ場を運営する鹿沼グループ代表の福島範治氏の話を聞いた。

 鹿沼カントリー倶楽部――それはゴルフをプレーする人であればだれもが知る栃木県にある名門コースだ。1964年にオープンし、1990年からコミック誌で連載された『風の大地』の舞台にもなった。鹿沼カントリー倶楽部は福島文雄氏が創業した「鹿沼グループ」によって運営され、1975年に鹿沼72カントリークラブ、1978年に富士御殿場ゴルフ倶楽部、1991年に栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部を次々とオープンさせ、今もこれら4コースを傘下に持つ。

鹿沼グループのゴルフコース

 鹿沼グループも、他の多くの企業がそうであったように、高度成長からバブル期にかけて事業を多角化していった。ゴルフ場と全く関係がない、新聞社や画廊、アスレチッククラブ、レストランも経営するようになり、絶頂期には栃木県を代表する企業の一つとなった。

 しかし、バブル崩壊後に経営状況は一転、1995年頃にかけて、給与の遅配、税金や社会保障費の滞納、仕入れ業者への支払いの遅れ、銀行への返済のストップが常態化し、創業から30年で鹿沼グループは実質的に経営破たんの状態に堕ちてしまった。

 その後、文雄氏の息子で現社長の福島範治氏が経営を引き継いだ。民事再生法の適用を含め様々な経営改革に取り組み、15年かけて復活を果たした。

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「近隣企業より2割増しの給料を目指す」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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