• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「正露丸」に新風を吹き込んだ入社1年目

2014年2月18日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

企業ケース(2)大幸薬品

 大幸薬品の看板商品で、111年の歴史を有する止瀉薬の「正露丸」。国内での認知度は9割以上に達し、止瀉薬市場でのシェアは50%を超えている。しかしその数字の内訳をよく見てみると、高年齢化が顕著で、若年層に弱いことが明らかに。年中無休のドラッグストアが当たり前の存在となった若い世代は、家庭の常備薬の定番である正露丸に触れる機会が少なくなったといえる。

 そんな状況の中、将来にわたって止瀉薬のナンバーワンであり続けるためには、今から手を打つ必要がある。そこで、これまでのプロモーションとは違った手法でメッセージを伝えようと動いたのが岡本智充氏(42歳)。正露丸ブランドのイメージ転換に挑む。

 皆さんはご存じだろうか?1年間で止瀉薬が最も売れるのは、夏と冬の季節であることを。その時期を狙った正露丸のキャンペーンが、2013年の夏と、2013年年末から2014年年始にかけて行われた。

 夏のキャンペーンは、正露丸のパッケージそのままの仮設トイレを作り、花火大会や野外コンサートなどのイベントに設営するというもの。扉を開ければおなじみのラッパのマーチが鳴り響き、正露丸特有の生薬の匂いが感じられるという仕掛けは大きな話題を呼び、テレビの情報番組などにも取り上げられた。また、設営されたトイレを見た若者が撮影をしてツイッターやフェイスブックなどのSNSに投稿し、さらに拡散されて話題になっていくという好循環をもたらした。

 一方の冬に展開されたのは、受験生に焦点を絞ったキャンペーン。クイズに答えて正露丸オリジナルの受験勝負パンツを当てようというものだ。クスッとした笑いをもたらしながらも、口の渇きや眼圧の上昇、心拍数の増加といった症状が発現する恐れのある成分を含んでいない正露丸は受験生の味方だということを、強く印象付けるものとなっている。

 これらの販促プロモーションを仕掛けたのは、2012年に大手製薬メーカーから大幸薬品に転職した岡本智充氏。前職では20年近くにわたりマーケティング部門で活躍。プロモーション施策の立案から実行、テレビ媒体のプランニングやバイイングのほか、市場環境の分析、および部門全体の収益計画の立案・管理などといった幅広い経験を活かし、入社直後から大幸薬品のマーケティング部のけん引役を果たしている。

正露丸も少子高齢化と無縁ではいられない

 多くの企業組織がそうであるように、以前の大幸薬品は、製品開発、広告、販促といった機能別に運営されていた。個々の組織の専門性は高まる半面、全社横断的な活動を実施しようとすると、一体感に欠けるといった問題もあった。そこで、2012年にマーケティング部が発足。ブランドマネジメントの考え方を浸透させ、商品開発から販促までを一気通貫で対応する体制に変更した。この新体制下で、大幸薬品の主力製品正露丸を含む医薬品のブランドマネージャーという大役に抜擢されたのが岡本氏。ブランドの収益構造を検討しながらマーケティングの一連の流れを担うことができる経験を買われたのだ。

 これまで大幸薬品では、認知度が高い正露丸という薬に関しては、既存メディアを使った広告宣伝、卸店を介した製品販売が軸となり、積極的なマーケティング施策を行っていなかった。それだけ正露丸にブランド力があり、特別なことをせずとも一人勝ちを続けられた証左とも言えるが、大幸薬品の危機意識は強い。特に懸念しているのが、少子高齢化という構造問題である。実際に正露丸は、高年齢者層に比べ、若年層の利用経験が少ないという数字が社内調査で明らかになっている。若年層に対するプロモーションの強化は、急を要する課題だった。

コメント0

「人材採用塾 ~理想の社員は自分で探す~」のバックナンバー

一覧

「「正露丸」に新風を吹き込んだ入社1年目」の著者

南壮一郎

南壮一郎(みなみ・そういちろう)

ビズリーチ代表取締役

株式会社ビズリーチを創業、2009年4月、管理職グローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」を開設。2500社がビズリーチに登録し、ダイレクト・リクルーティングのデータベースとして利用。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

朝倉真弓

朝倉真弓(あさくら・まゆみ)

ビジネス書作家

出版社、編集プロダクションを経て、1999年にフリーランスライターとして独立。経営、金融、就職・転職、起業などをテーマに、雑誌やウェブサイトなどで取材および執筆を手掛ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長