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「円安でも輸出は増えない」輸出主導経済は終わった?

官主導「 モノ作り復活」の功罪

2014年2月21日(金)

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 アベノミクスによる大胆な金融緩和によってこの1年余り、大幅な円安が進んだ。円安になれば輸出が大きく増え、輸出産業が儲かって従業員の給与が増え、日本の景気に火が付く。そんな「経済の好循環」を安倍晋三内閣が描いてきた。安倍首相は開幕中の通常国会(186国会)を「経済の好循環実現国会」と位置づけている。ところが、計算外のことが起きている。

 円安で大きく伸びるはずだった輸出が、思うように伸びていないのだ。

 輸出額から輸入額を引いた「貿易収支」は大幅な赤字が続いている。輸入しているLNG(液化天然ガス)などエネルギー価格の上昇で、輸入額が大きく増えているためだが、円安になっても輸出がなかなか増えてこないことも響いている。

 為替が円安になると、輸入額の増加の方が先に表れ、しばらくは貿易収支が悪化するが、時間を経て輸出増の効果が出ると急速に貿易収支が改善する。縦軸に貿易収支、横軸に時間を取ってグラフを書くと「J」のように描けることから「Jカーブ効果」と呼ばれている。

Jカーブ効果が出てこない?

 「Jカーブ効果は出てこないのではないか」

 経済産業省ではそんな議論が繰り返されている。2012年3月期は電機メーカーが大幅な赤字に転落したが、各社のトップは急激に進んだ円高が要因と言っていた。日本の半導体や液晶が韓国メーカーに敗れたのは、ひとえに為替の影響だったとしたのである。こうした悲鳴に似た主張に応えて、経産省も輸出企業を支えた。日本に工場を立地する企業に補助金を出すなど異例の補助金行政を展開したのだ。それだけに為替が円安になれば、時間のズレはあるにせよ、いずれ日本の輸出産業は復活するハズだった。

 確かに日本銀行総裁になった黒田東彦氏が2013年4月に大胆な金融緩和に踏み切り、一気に円安が進むと、貿易収支にも改善の兆しが出た。財務省の月別貿易統計によると、貿易収支は2012年6月の561億円の黒字最後に赤字に転落。2013年1月には1兆6335億円の赤字にまで拡大した。それが、2013年6月には1817億円の赤字にまで改善したのだ。Jカーブどころか予想以上の速さで円安の効果が出ているのではないか。経産省の幹部はそんな見方をしていた。

 ところが、それ以降も貿易収支は悪化が続いているのだ。2013年10月以降は1兆円超が定着。ジリジリと拡大している。

 1月31日に衆議院予算委員会で質問に立った民主党の古川元久・元国家戦略担当相はこの点を問いただした。安倍内閣は金融緩和による円安が輸出増につながると言っているが、現実にはそうなっていない。アベノミクスは口ほどに成果を上げていないのではないか、というのである。

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「「円安でも輸出は増えない」輸出主導経済は終わった?」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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