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ジェームズ・ボンドが中国サプライヤーから殺される日

やっぱり重要なのは“信頼関係”

2014年3月5日(水)

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 今回は、今だに続く中国サプライヤーの不良品問題をとりあげ、各社・各業界の対応や施策を紹介する。

 ジェームズ・ボンド車として有名な英アストンマーチンは先日、米国運輸省に対してきわめて重要な報告書を提出した(PDFの関連資料)。同社は2007年以降、5000車以上もリコールしている。同報告書はその中で、アクセルペダルに起因するリコールを述べている。

 そこではアクセルペダルの不良が使用材料にあるとした。本来は米デュポンのPA6材(ポリアミド6でプラスチック材料の1つ)を使用すべきところに偽材料を使ってしまった。偽材料の袋には偽ラベルが貼られるほど「手が込んでいた」ようだ。

 アストンマーチンがこのアクセルペダルの組み立てを委託したのは英国企業(ティア1サプライヤー)。その生産をさらに香港企業が請け負い(ティア2サプライヤー)、そしてさらに外注の中国にある深センの企業が請け負っていた(ティア3サプライヤー)。この三層構造のサプライチェーンが偽材料の使用を可能としていた。アストンマーチンはすぐさま人員を派遣し、不具合防止に努めるのを当然としたうえで、生産場所を英国に引き戻すことも検討するという。

 私は、今日び偽材料を使った不良品とは……、といささかめまいを覚えた。かねてより同種の問題は絶えない。米玩具大手マテル社は、バービー人形やセサミストリート関連おもちゃを生産している。2007年には、同社の中国サプライヤーが危険な白鉛ペイントを使っていたことが判明。おもちゃ約100万個を回収した。また同様に、米玩具大手RC2コーポレーションは、中国サプライヤーが規定以上の鉛を含んでいる商品を生産したとして、150万個もの“きかんしゃトーマスおもちゃ”をやはり2007年に回収した。これらは古い問題と思っていたものの、現存の問題なのだ。

 映画「007」シリーズでは、Qなるイギリス情報局秘密情報部の研究開発課長が登場する。某誌の記者は、アストンマーチンのアクセルペダル不具合について「Qは品質監査には居合わせなかったのだろう」と皮肉っている

海外調達はカンタンになったのか?

 現在、私はいくつかの企業から調達・購買・サプライチェーン分野のコンサルティングを請け負っている。円安基調にかかわらず、各社とも現地生産や海外調達の方向性は変わりそうにない。

 輸入額は数字で表現すれば、“1億円の輸入”といったように無味乾燥なデータの羅列でしかない。海外調達が上手くいっているA社の1億円と、海外調達が上手くいっていないB社の1億円も、おなじ1億円だ。ただし、各社とも海外調達が上手くいっているのかというと、かなりの差があるように感じる。上手くいっているかどうか、とは「品質トラブルがないか」「納期トラブルがないか」「意思がちゃんと疎通しているか」など、かなり定性的で、定量的データには表出しないものだ。

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「ジェームズ・ボンドが中国サプライヤーから殺される日」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授