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靖国参拝に米国が「失望」した真意

修正主義者が「ついにやっちまった」

2014年2月25日(火)

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 安倍晋三首相による昨年12月26日の靖国参拝がいまだに尾を引いている。

 参拝直後、米国側は「失望」という言葉を表明。今月は衛藤晟一首相補佐官による「われわれの方が失望だ」という発言が飛び出した。日米両国だけでなく中国・韓国をも巻き込んだ外交上のせめぎ合いが続いている。

 安倍首相は昨年末の参拝後、その目的について「尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧げるとともに、尊崇の念を表し、御霊安らかなれとご冥福をお祈りすること」と発言した。首相は、他国から文句をつけられる筋合いのことではないと考えており、言動に自信さえのぞかせている。

 安倍首相は米国が「失望」した真意をいまだによく理解できないでいるようでもある。日本の首相は過去に何度も靖国に参拝をしていたが、米国はほぼ黙認してきた。しかし今回だけは、なぜ態度が違うのかとむしろ反駁する。

 小泉純一郎元首相は計6回、在任中に靖国参拝をしたが、「失望」されるどころか、ブッシュ元大統領と個人的な信頼関係を深めさえした。小泉氏の秘蔵っ子と言われた安倍氏の時代になって、なぜ「失望」に変わったのか。

 その意味合いを外交的視点と社会心理学的な視点の両面から論じたい。

安倍首相は修正主義者

 安倍氏は、靖国参拝が中国や韓国の反発を招くことは最初から分かっていたはずである。米側も歓迎していなかった。大きな反発はないとか、問題にならないとの思いがあったとすれば、首相の読みの甘さは本物と言わざるを得ない。

 というのも各方面に取材すると、米側の真の反応は単なる「失望」ではなかったからだ。怒りであり、憤懣だった。

 ワシントンで日米関係に携わる高官たちの間には、修正主義者というレッテルが貼られた安倍像がある。その男が「ついにやっちまった」という印象なのだ。

 しかし米政府内には同盟国のトップを公に批判することは控えるべきとの配慮が働く。憤りを表すのは仲間うちだけで、対外的には「失望」という柔らかい言葉を選択したということである。

 それでも日米関係は、いまだに重要な2国間関係であることに変わりはない。同盟国を批判して両国関係に亀裂を入れてはいけないとの思いがある。ただ靖国参拝について、米側は日本に対してはっきりと意思表示をする必要があった。そうした状況を踏まえての「失望」発言だった。

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「靖国参拝に米国が「失望」した真意」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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