• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ピアノが高周波音を出さず、チェンバロが出すのはなぜなのか

国立精神・神経医療研究センター 神経研究所(3)

2014年3月6日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

人の耳には聞こえていないけれど、脳の活動にポジティブな影響を与える高周波音「ハイパーソニック」。その効果を利用して、うつ病をはじめ、さまざまな現代病の治療と予防を目指した「情報医療」を切り拓く本田学先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

 ハイパーソニック・エフェクトでは、高周波音が含まれる音楽などをより心地よく感じるだけでなく、免疫をになうNK細胞が活性化したり、ストレスホルモンが減ったりする研究を紹介した。それが実際に、我々の健康にどれだけの効果があるかは未知数だが、どんな楽器、どんな音楽に、高周波音が含まれているかは知っておきたいのが人情だ。今回はそのあたりについて。

 まず、ハイパーソニック・エフェクトの発見の直接的な引き金になったのは、音楽CDの普及ともいえる。22.05キロヘルツより上の音をばっさり切り捨てることに、それ以前のアナログレコードの愛好者はもちろん、制作者側も違和感を抱いた人が多い。

 そして、この研究を牽引してきた大橋力博士は、まさに、アナログレコードの制作者サイドに立って来た人物である。音楽家・山城祥二として、パフォーマンス集団・芸能山城組を主宰し、音楽CD以前のアナログレコード制作の際にも、高周波音を意図的に取りいれ、いわば隠し味として使ってきた。可聴域をはるかに超えた50キロヘルツあたりを持ち上げておくと、音楽がより情感豊かに艶やかに響くというふうに。

 一方、今回お話をうかがった脳科学者の本田さんは、大学時代に、音楽家・山城祥二氏の弟子として芸能山城組に入門した経歴を持つ。その後のハイパーソニック・エフェクト研究の世界でも、大橋力博士(山城氏と同一人物)の指導を受け研究をすすめることになった。そのような縁の中で実現した成果だ。芸能山城組は、バリ島のケチャやガムランに注目してきた歴史があって、現地のガムラン音楽に豊富な高周波音が含まれていることを見いだした。だから、イメージングの手法を使った実験でも、呈示する音はガムラン音楽だった。

本田さんの部屋に飾られていたバリ島の絵。ケチャやガムランなど、バリ島の音楽には高周波音が豊富に含まれている。

ナショナルジオグラフィック2014年2月号でも脳研究にまつわる特集「先端技術で見えた脳の秘密」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識
川端 裕人(著)、三島 和夫(著)

 睡眠の都市伝説を打ち破り、大きな反響を呼んだ「睡眠学」の回が、追加取材による書き下ろしと修正を加えて単行本になりました! 日々のパフォーマンスを向上させたいビジネスパーソンや学生はもちろん、子育てから高齢者の認知症のケアまでを網羅した睡眠本の決定版。睡眠に悩む方々は、本書を読んでぜひ理想の睡眠を手に入れてください。

コメント3件コメント/レビュー

モーツァルトのオペラを観に行ったときにチェンバロの音がなぜか心に残ったのはそういうわけだったのですね。納得しました。(2014/03/06)

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「ピアノが高周波音を出さず、チェンバロが出すのはなぜなのか」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

モーツァルトのオペラを観に行ったときにチェンバロの音がなぜか心に残ったのはそういうわけだったのですね。納得しました。(2014/03/06)

かつて住んだことのある新潟市では、古楽器が盛んだったようで、その気になって探すとチェンバロを聞く機会がけっこうありました。一度聞いてみたいと思っていたチェンバロの音こそ、口で説明できない、CDはやかましいだけ、生で聞かないと分からない、の、代表みたいなもので、なんでこんなに好きなのか分からないくらいはまりました。今回の記事でその理由の一端が分かりました。もし新潟に行く機会があったら、ぜひ聞いてみてください。ちなみに新潟市内にはチェンバロ教室もいくつかあります。習っておけば良かった。(2014/03/06)

これは本当のことなんでしょうか? 疑似科学の可能性はないでしょうか? 学術文献を検索すると、"T. Oohashi" という研究者のグループの論文しかみつからず、英文wikipediaでも、他のグループが追試出来なかったと書いてあります。もちろん、私は、科学的な判定を下せるデータを持ってはいませんので否定しようとするもではありませんが、超音波が人間の脳にどのような物理的経路で影響を与えるかある程度見当が付くまでは、慎重になる必要があります。いまのところ、統計的な結果しかないようですから。いずれにせよ、川端さんご自身が出来る限りウラをとってみることを強くお勧めします。(2014/03/06)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長