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ハイパーソニック・エフェクトを正しく使うには

国立精神・神経医療研究センター 神経研究所(7)

2014年3月12日(水)

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人の耳には聞こえていないけれど、脳の活動にポジティブな影響を与える高周波音「ハイパーソニック」。その効果を利用して、うつ病をはじめ、さまざまな現代病の治療と予防を目指した「情報医療」を切り拓く本田学先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

 前回扱ったような脳科学の取扱い難しさを前提にして、先端的な知見であるハイパーソニック・エフェクトについて語る時、どのような注意が必要だろうか。

 現時点では「摩訶不思議」な部分もあり、「聴けば体によい」という短絡も可能な部分も多い。あるテレビ局が「高周波音を聞けば頭が良くなる」と伝えたのは、拡大解釈の事例だろう。

 「このテレビ番組の例では、取材申込を受けた番組の内容が科学的にあまりに問題が多かったので、番組として取り上げること自体をお断りするだけでなく、どのような内容にすれば問題がおこらないか、アドバイスまでしたんです。それにもかかわらず、それを無視して勝手に問題のある内容を制作して放映してしまったので、社会的に大問題になりました。私たちも科学者の責任としてほうっておくわけにもいかず、テレビ局に厳重に抗議し、お詫びと訂正放送をいれてもらいました。番組自体もすぐに打ち切りになってしまったようです。私たち科学者が慎重に情報発信をすべきなのはもちろんですが、それを受け取る側にも高いリテラシーが必要な時代になってきているのかもしれません」

 研究者側がいくら注意していようと、メディアが曲解してしまえば元も子もない。不正確で誤解を招く取りあげられ方に訂正を求めるのは、本来、研究者としては「余計な仕事」のはずで、そこまでしなければならないのは相当な負担だろう。本当にメディア側も賢くならねばと身を引き締めざるをえない。

 今後のハイパーソニック・エフェクト研究をめぐる「受け止められ方」にかかわることで、気になっていることが2点。

ナショナルジオグラフィック2014年2月号でも脳研究にまつわる特集「先端技術で見えた脳の秘密」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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「研究室に行ってみた」のバックナンバー

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「ハイパーソニック・エフェクトを正しく使うには」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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