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「若者は都会から田舎に逆流する」

被災地に移住した若者の証言

2014年3月12日(水)

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若者を田舎で輝かせる――。東日本大震災直後、東京都内の学生有志でボランティア団体「SET」を結成した三井俊介氏(25歳)は、これまで東北に多くの学生を派遣してきた。三井氏自身も、岩手県陸前高田市の広田半島に大学卒業後の2012年4月に移住。パソコン教室や野菜のネット販売に乗り出し、生計を立てている。これまで、あまり交わる機会がなかった都会の若者と地方の高齢者。三井氏は現地での田舎暮らしを通して、「今後は都会の若者が田舎で暮らす流れが生まれるのでは」と考えている。

=本文、敬称略

ここ広田町は陸前高田市の中心地からも時間がかかりますね。どんな活動をしていますか。

三井:学生時代は月に1回通っていました。はっきり言って移住当初は活動がありませんでした。なので、まずはこの町の課題を探ることから始めました。

 半年くらい経つと広田町が抱える問題が見えてきました。私の住むところの世帯数は200世帯ほど。田舎特有のしがらみも多く、新しいことに挑戦しづらい風土がある。私のように外部からの移住者は50年ぶりだと言います。「新しい風」が入らないから、広田町のいい資源を生かせない。漁業も50年前から同じ方法で、漁獲高が落ちてしまっています。

 そこで、新しい価値観を入れることや、挑戦する場づくりをすることを考えました。

 具体的には、手作り浜野菜おすそわけ便とパソコン教室、学生向け現地滞在型プログラムの3つです。

 手作り浜野菜おすそわけ便について、もちろん広田の生産者たちは東京に定期販売する経験はありません。初めはかなり渋っていました。1箱送るのも「ムリ、ムリ、ムリ」と。50歳~70歳代の女性たちが主力メンバーなのですが、地域からの目もありますし、新しいことをやることに抵抗がありました。

 ただ、一緒に移住した私の妻が、インターネットを使って他の地域でもやっている事例をプリントアウトして説明したりして、「そこまで言うならやってみようか」と言ってくれて始まりました。今ではやってみたら何とかできそう、という雰囲気になっています。

 これまで自分が作ったもので他人が喜んでくれるという経験はなく、非常に新鮮に感じているようです。買ってくれた人たちとの交流の場も生まれています。

 昨年は3人の生産者から始めましたが、今年は10人くらいに増やす予定です。毎月40箱程度。6月から注文受付開始で、7月~12月に発送します。今は休止期間でサービスを改善しています。買っている人は関東圏の40歳~60歳代の主婦が多い。野菜そのものの味を楽しんで買う方が多いようです。

 今後10年で6000万~7000万円を稼ぐイメージです。ただ、儲けたいからやっている訳ではなく、40~50人の生産者が関わって、事務局のスタッフ5人くらい雇うことを前提に考えています。

 東京の価値観とはちょっと違います。できるだけ多く、たくさん稼ぐというものではなく、少しずつ稼いで継続することを考えています。

三井俊介(みつい しゅんすけ)
1988年生まれ。大学2年の2008年6月にサッカーを通した国際協力を行う学生団体WorldFutを設立。震災後に復興支援のNPO法人「SET」を立ち上げ。2012年法政大学法学部卒。2012年4月から岩手県陸前高田市広田町に移住した。

パソコン教室は若者と町の方々の得意分野と苦手分野が噛み合った感じですね。

三井:はい。地元の女性向けにマウスの握り方から、基本ソフト、インターネットの使い方を教えています。2012年度30人、13年度40人に通ってもらっています。月2000円の料金です。

 パソコンのスキル向上も重要ですが、コミュニティー作りという点でも意義があります。震災で習い事がなくなって、仮設の方とそれ以外との間で、ちょっと距離が出来てしまった。ここに集まってもらってコミュニティー再生のお手伝いをしたいとも考えています。

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「「若者は都会から田舎に逆流する」」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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