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次世代カー、お手本は昆虫

生体模倣技術(日産自動車、東京大学)

2014年3月25日(火)

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日産自動車がハチと魚の行動観察から自動運転カーを開発した。東京大学はロボットへの応用などを視野に、昆虫の脳を再現する。生物の神秘をどこまで解明し、生活に役立てられるのか。

 脳の中に、ある重要な原始的機能を担う、小さな領域がある。「危険回避」を司る部分だ。ヒトだけでなく、爬虫類や昆虫、魚、鳥など様々な生物が共通して持っている。

 地球に生命が誕生して約40億年。その間、生物が受け継ぎ進化させてきた、この機能を解明し、活用する試みが広がっている。

俊敏な動きで事故を回避

 「我々が研究したのはハチと魚です」。日産自動車で先進技術・研究のエキスパートリーダーを務める二見徹氏は言う。2013年9月、米カリフォルニア州で披露した2台の自動運転カー。デモ走行で人形が路上に飛び出した際、自動でハンドルを切り、俊敏な動きで無事に回避してみせた。

 自動運転カーの開発の歴史は、ハチの行動分析を応用し、2008年に公開したロボットカー「BR23C」にさかのぼる。東京大学先端科学技術研究センターとの共同研究によるものだった。

 ハチが複雑に飛び回っても衝突しないのはなぜか。左右の複眼で周囲の状況を検知し、自分の「パーソナルスペース」に入ってきた天敵や障害物を、瞬時に方向転換することなどで回避する能力を持つためだ。

 BR23Cでは、周囲の状況を把握する複眼の役割を、レーザーレンジファインダーと呼ぶセンサーで実現。投射したレーザーの反射光を検知し、その時間差で障害物までの距離を計測する。状況に応じ、加速や減速、回転をして、衝突を回避する。

 ハチは瞬時の動きの組み合わせで、障害物や敵を避ける。「この回避行動を数値化し、様々な方向から障害物が近づいてきた場合の回避行動をルール化した」(二見氏)。このルールに沿って、車輪の角度を素早く切り替え、とっさの回避行動を可能にした。

 BR23Cの次のステップで、日産が参考にしたのは魚だった。

 魚群の中で、魚は隣り合う魚との距離が非常に近くても衝突せずにすいすい泳ぐ。クルマも同じような行動ができれば、渋滞を起こしにくい、効率的な交通システムが構築できるはずだ。

 魚が群れの中で、ほかの魚に近づきすぎず、ぶつからないのは、「側線」の働きによるものだ。その名の通り、魚の体の側面にある鱗に覆われた感覚器。水中で、水圧や水流の変化を感じ取る。水流の乱れによって障害物や衝突の危険を感知し、近隣の魚との適切な距離を保ち続ける。

 日産が2009年に公開したロボットカー「EPORO(エポロ)」には、BR23Cでも導入したレーザーレンジファインダーに、側線の役割を担わせた。近くのクルマとの距離を随時計測し、それを適切に制御する。無線通信機能で、複数台が連携を取りながら、群としてぶつからずに自動走行ができる。

 これらの技術を集積させた成果が、前述の自動運転カーだ。日産は2020年までに、複数の自動運転カーを開発すると宣言している。

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「次世代カー、お手本は昆虫」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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