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生協で売れる、知られざるヒットCD

2014年3月24日(月)

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 3月上旬、私が手がけたラブソングのコンピレーションCD(※)「大切な人と聴きたい15のラブソング」が発売から半年かけてようやく売り上げ1万枚を超えました。

 “たかだか1万枚……”と思う人も多いでしょうが、実は昨今、「旧作を集めた1枚組のコンピレーション」としては異例の高セールスなのです。

「大切な人と聴きたい15のラブソング」
1. キセキ GReeeeN
2. ベイビー・アイラブユー TEE
3. ビリーヴ シェネル
4. やさしさで溢れるように JUJU
5. 春夏秋冬 ヒルクライム
6. タカラモノ~この声がなくなるまで~ ナオト・インティライミ
7. 茜色の約束 いきものがかり
8. 花束 back number
9. 歌うたいのバラッド BENI
10. ぼくのとなりにいてくれませんか? C&K
11. バンザイ~好きでよかった~ ウルフルズ
12. 結婚闘魂行進曲 「マブダチ」 氣志團
13. 未来へ Kiroro
14. 僕が一番欲しかったもの 槇原敬之
15. 未来予想図II ~VERSION ’07~ DREAMS COME TRUE

 このCD、GReeeeNの「キセキ」、TEE「ベイビー・アイラブユー」、シェネル「ビリーヴ」、JUJU「やさしさで溢れるように」、ヒルクライム「春夏秋冬」など配信でメガヒットした楽曲満載、またウルフルズの「バンザイ」やKiroro「未来へ」、DREAMS COME TRUEの「未来予想図II」など、かつてCDでメガヒット、その後配信やカラオケでもロングヒットしている定番のラブソングが多数収録されていて、内容的にはまさに“鉄板”。同様のカラーで人気だったラブソング・コンピレーションといえば07年に発売された「アイのうた」が思い当たる方もいるかもしれません。ところが、こちらは累計47万枚(オリコン調べ)。たった5~6年で、いかに市場が冷え込んでしまったかがお分かりになることでしょう。

(※コンピレーションCD:複数のアーティスト、アルバムから、特定の意図に沿って楽曲を集めたCD)

 90年代後半からシングルやアルバムのオリジナル盤の市場が翳りをみせた音楽市場では、00年代初頭から、コンピレーションCDのブームが起こっていました。まずは、単一アーティストのベスト盤、そして、様々なアーティストの名曲をまとめたコンピレーションへと広がっていきます。ベスト盤が先陣を切った形で、他社の楽曲を借りてきて収録することに対する障壁が低くなったこともコンピレーションの発売に拍車をかけます。

ゼロ年代の音楽業界を、地味に支えたコンピCD

 コンピレーションは、作る側としては、過去の財産を再利用してヒットさせるというメリット、売る側としては、「名曲満載!」「ヒット曲満載!」といった、既に評価が確立してハズレがないというお得感をアピールできるメリット、そして買う側としても、シングルだと1枚1000円前後なのに、自分の欲しい曲をまとめて2500円前後で手軽に入手できるというメリット、とレコード会社もCDショップもリスナーもwin-win-winな関係が築けていたわけです。具体的に数字を挙げて見てみましょう。

00年以降の既存音源によるコンピレーションの主なヒット作
※オリコン調べ
発売年作品タイトル(メーカー)売り上げ
2000「~the most relaxing~feel」(EMI(現・ユニバーサル))
※クラシック系、ヒーリング系のタイアップ曲中心に集めたもの。
シリーズでも大ヒット、他社同系統の「イマージュ」も大ヒット
116万枚
2000「名探偵コナンテーマ曲集」(ビーグラム)106万枚
2002「kiss~dramatic love story~」(BMG(現・ソニー))
※「ラブ・ストーリーは突然に」「SAY YES」など80年代~00年のラブソング集
93万枚
2006「Beautiful Songs~ココロ デ キク ウタ~」(ワーナー)
※ジェイムス・ブラントやダニエル・パウターなど聞き心地の良い洋楽集
91万枚
2007「R35 Sweet J-Ballads」(ワーナー)
※「君がいるだけで」「離したくはない」など90年代前半のドラマに使用された男性ボーカルのラブ・バラード集
100万枚
2007「アイのうた」(ユニバーサル)
※「愛唄」「ここにいるよ」など着うたでヒットした、発売1~2年の楽曲ばかりを集めたラブソング集。シリーズでもヒット。
47万枚
2007「CLIMAX~DRAMATIC SONGS」(ソニー)
※「LOVE LOVE LOVE」「幸せな結末」など90年代のドラマ主題歌集。
以降、年代やタイアップを変えつつシリーズでもヒット。
23万枚
2008「恋のうた」(ユニバーサル)
※「そばにいるね」「愛のうた」など女性ボーカル限定のラブソング集。
27万枚
2010「ONE PIECE MEMORIAL BEST」(エイベックス)28万枚
※日本オリジナル企画のみ

 それが今では、アニメ関連の主題歌集などで、字幕のないムービーや原画などのレアな特典をつけたコンピレーションでようやく5万枚前後、それ以外だと1万枚売れれば立派なヒットという状況です。上の表のように、00年代の前半は100万枚前後売れるコンピレーションがあったことが、もはや信じられないほど。音楽業界のラスト・リゾートとも思えたコンピ市場はどうして冷えてしまったのでしょうか。

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「生協で売れる、知られざるヒットCD」の著者

つのはず誠

つのはず誠(つのはず・まこと)

音楽チャートアナリスト

京都大学大学院理学研究科から三菱化学に入社。97年に趣味を仕事に活かそうと音楽系広告代理店に転職、05年10月に独立しT2U音楽研究所を設立、音楽市場分析、企画CDの監修、選曲、記事執筆を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師