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バブルに翻弄された老舗テーラーに主婦が飛び込んだ

第1回 元コンパニオンがカネなし知識なしで経営再建

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2014年3月27日(木)

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政財界の要人を顧客に持つ1935年創業の老舗仕立て服専門店、銀座テーラー。今でこそ業績は順調だが、病弱だった先代の夫を支えるために鰐渕美恵子社長が銀座テーラーグループに入社した20年前は経営危機に陥っていた。大阪万国博覧会でコンパニオンを務め、その後結婚。普通の主婦からいきなり飛び込んだ先は100億円の負債を抱えていた。洋裁の知識も技術も持たず、社会人経験もほとんどない――。そこから、なぜ経営を再建できたのか。

 私は、東京の銀座で仕立て服専門店「銀座テーラー」を経営しています。と言っても、私が銀座テーラーグループで働き始めたのは44歳のときからです。  

 銀座テーラーという名前を聞いてすぐに理解できる人は、あまり多くないかもしれません。まだ「隠れた名店」の段階といったところでしょうか。私はこれを「誰もが知っている名店」にしようと、努力を重ねています。

鰐渕美恵子(わにぶち・みえこ)氏
1948年大阪生まれ。70年甲南大学文学部英文科卒業。同年、大阪万国博覧会国連館VIPコンパニオンとなる。73年銀座テーラーグループの後継者、鰐渕正夫氏と結婚。92年銀座テーラーグループに入社。95年総支配人、2000年、3代目社長に就任。06年職人を育成する日本テーラー技術学院を開校。(写真/菊池一郎)

 銀座テーラーは、私の義父に当たる鰐渕正志が1935年に創業しました。鰐渕という苗字を聞くと、年配の人は、バイオリニスト、女優として一世を風靡した鰐淵晴子を思い出す方がいるかもしれません。実は義父は鰐淵晴子の父、やはりバイオリニストの鰐淵賢舟の兄弟に当たる人です。

 生前、義父は多くを語りませんでしたが、幼い頃はかなり苦労したようです。中学校を出るか出ないかで上京し、戦前の東京・蒲田で、夫婦で「鰐渕洋服店」を開きました。当時のいわゆるモダンボーイ、モダンガールだった2人にとって服飾業は天職だったのでしょう。戦後になると銀座に店を出し、「銀座テーラー」と名付けます。このネーミングのセンスは天才的だったと思います。銀座というブランド、高級感、覚えやすさが短い店名にまとまっているからです。今となっては貴重な財産の1つですね。

 仕事の方も、社名に違わない高水準でした。日本では戦後、復興の促進という目的もあって、高松宮殿下が産業界に様々な賞を設けました。服飾業界には高松宮技術奨励賞が設けられ、銀座テーラーは、53年にシングル背広部門、56年にモーニング部門で表彰されています。また58年から68年にかけては、2年おきに開催される「世界高級紳士服展」の日本代表として、世界各地の大会に参加しました。お客様には政財界の重鎮が名を連ね、まさに名実ともに日本の一流テーラーメード紳士服店であったわけです。

バブルの追い風で業績は絶好調

 それがなぜ厳しい経営状況に陥ってしまったのか。そのことをお話しする前に、私自身のことをお話ししておきましょう。

 私は大阪に生まれ育ちました。実家は父が創業した菓子問屋です。当時は職住が一緒という時代で、集団就職などで出てきた50~60人もの従業員が一緒に寝起きするという、商売を身近に感じる環境で育ちました。私は父親っ子で、側にいることが多かったので、「商売にとって最も大切なのは信用」「たばこを頼まれたときは、たばこだけ持っていくのでなく、マッチと灰皿も一緒に渡す。そうした気遣いができない人は、商売人には向かない」といったことを問わず語りに聞かされました。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官