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クリミア編入でも米ロは蜜月?

エネルギービジネスから見た意外な風景

2014年3月25日(火)

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 ロシアがウクライナ南部のクリミア自治共和国の編入を宣言したことで、ロシアと米ヨーロッパ連合(EU)との対立はより先鋭化している。

 オバマ米大統領は20日、第3弾となる対ロシア制裁を発動したが※1、効力はどれほどあるのか。実際問題として、クリミアがウクライナに戻される可能性は極めて低い。

 ロシアはウクライナとの国境沿いに約2万人の軍隊を集結させており、最悪のシナリオでは軍事衝突も視野に入れなくていけない。ロシアの行状は旧ソ連時代に逆戻りしたかのようだ。 駐日ウクライナ特命全権大使のイーホル・ハルチェンコ氏は3月17日、日本外国特派員協会の会見に姿を見せ、怒りをあらわにした。「プーチン大統領は歴史を歪めている。今でもソ連が存在していると思っているようだ。ソ連時代の共産党書記長の座にいると勘違いしているのではないか」。

 旧ソ連によって東ヨーロッパ諸国が共産圏へと取り込まれていった苦い思い出が鮮烈によみがえると、同大使は語った。

 クリミアの住民投票では9割以上の人たちがロシアへの編入に賛同したが、きっかけが空港や港湾を制圧する軍事介入だった。軍事介入は許されざる暴挙である。

 しかし、国連安全保障理事会の決議案ではロシアを止められないし、オバマ大統領による追加制裁も功を奏するとは思えない。現時点ではロシアの軍事行動を止められる国際機関も国家もないのが現実だ。

 オバマ政権は追加制裁で、プーチン大統領の側近を含む政府高官20人の資産凍結だけでなく、クレジットカード会社のロシア銀行口座の決済停止などを行ったが、名目的な制裁にとどまっている。

エクソンとロスネフチの蜜月

 実は外交上の表だった制裁の裏で、米ロは密接に手をとりあったビジネスを進行させている。切ってもきれないという表現が適切なほどの親密な関係である。

 もちろん欧米の財界には制裁に加担するところもある。ドイツやフランスの武器輸出企業によるロシアへの輸出解約、一般企業による対ロシア・ビジネスの契約解消も発生している。武力を使った他国への介入は国際法上も倫理的にもあってはならぬことだけに、各国首脳はこぞって反対し、制裁に賛同する。

 しかし、エネルギー分野からウクライナ情勢を眺めると、意外にも米ロは大きな憤りを抱いていないのではないかと思えるほどの蜜月ぶりが見られるのだ。

 米ロのエネルギー関係は「フレネミー」だとよく言われる。フレネミーとはフレンド(友人)とエネミー(敵)からなる造語で、米テレビドラマ「フレネミーズ」から広まった。日本のテレビドラマのタイトルにもなった。米ロは今まさにフレネミーの間柄だというのだ。

 好例がここにある。世界最大の石油会社、米エクソンモービルとロシア最大の石油会社ロスネフチの事業提携である。両社の合弁事業はもはや民間企業のレベルではなく、国家さえも関与している。

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「クリミア編入でも米ロは蜜月?」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師