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「消費税還元セール」を禁じる“価格統制”は成功するか

2014年3月28日(金)

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 いよいよ4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられる。1997年に3%から5%に引き上げられた際には、スーパーや百貨店などが増税相当分を値引きする「消費税還元セール」を大々的に実施した。増税分を企業努力で吸収して消費者にできるだけ負担をかけないようにしようとしたわけだ。もちろん、増税に伴う消費の落ち込みを回避しようという狙いもあった。

 ところが今回は、「消費税還元セール」といった文句は見当たらない。それもそのはず、「消費税転嫁対策特別措置法」という法律が施行され、消費税に関連するような形での安売りの宣伝や広告が禁止されているのだ。

 内閣府が作った法律の内容を説明するリーフレットには、禁止される表示の具体例として以下のような表現が書かれている。

 「消費税は転嫁しません」

 「消費税は当店が負担しています」

 「消費税率上昇分値引きします」

 「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」

 要は何が何でも増税分を価格に上乗せせよというのである。

 なぜ、企業努力による吸収を認めないのか。理屈はこうだ。

 消費税分の値引きを認めれば、その分のシワ寄せが立場が弱い納入業者や下請け業者に行くことになり、それでなくても苦しい中小企業の経営が圧迫される、というのだ。

弱者へのしわ寄せは許さない、そうなのだが…

 実際、転嫁対策特別措置法では、増税分の転嫁を拒否することも禁じている。スーパーや百貨店など大規模な小売り企業に中小企業が納入している場合、価格に消費増税分の転嫁を大企業側が拒否してはならないとしているのだ。

 具体的には、消費税増税分の減額を求めたり、買い叩くことを禁じているほか、増税分の上乗せを受け入れる代わりに別のものを買わせることも禁止されている。強者が自分の立場を利用して弱者にしわ寄せすることは許さないというわけだ。

 弱者を守るための法律と言えば聞こえはよい。だが、役人が頭で考えるほど簡単に価格転嫁ができるのだろうか。昔のように「定価」が決まっており、値引きができなかった時代ならいざ知らず、今は自由競争で価格が決まる。おカミが値引きするなと言ったからといって、消費者がすんなり値上げを受け入れるのか。

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「「消費税還元セール」を禁じる“価格統制”は成功するか」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官