• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本のものづくりは天然記念物です

なぜ世界トップになれたのか(その1)

  • 日経トップリーダー

バックナンバー

2014年3月31日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 私は父から経営を引き継いだ2代目社長なんですけど、IT(情報技術)経営なんて言うと、皆さん、外資系とか情報系企業の出身の経営者をイメージするかもしれません。しかし、私、松橋卓司はもともとかなりアナログな人間です。横文字を使うのも嫌いなくらい。

 会社もアナログな機械メーカー。工業用センサーの中でも、「精密位置決め」と言われるニッチなジャンルで、ものを作っています。

 それでも、どこにでもあるツールで、ちょっとした工夫を重ねれば、「小さくても世界で勝てるものづくり企業」が出来上がります。今回は日本の中小企業がIT武装して復活するコツを、皆さんにお話ししたいと思います。

「技術はあるのに、もったいない」のが日本の中小企業

 我が社の本社は東京都立川市にあり、そこは国内営業の拠点であると同時に、開発も手がけています。本社の従業員は約100人。これは、パートさんも入れての数です。海外も含めますと、正社員は40人ぐらいでしょうか。子会社を含めてもおおむね140人くらいという、小さな会社です。

 そんな小さな会社に、もう、おととしになりますが、某大臣から「国会が急に休みになったから、会社を訪問したい」と急に電話がかかってきました。「なぜ、うちに来られるんですか?」と聞きましたら、「中小企業の国際化がうまく進んでない。ちょっとやり方を教えてくれないか」と。「では、まあ、どうぞ」ということで、会社と工場を見学していただきました。

 見学を終えると、すごく驚かれていました。「これまで、いろんな最新鋭の工場を見てきたけれど、こんな会社は初めてだ」と。なぜかと言えば、なにも特別なことをしていないから(笑)。普通の個人がやれるレベルのことを積み重ねただけで売り上げの半分以上が海外になったと知り、とてもびっくりされていました。

 うちは小さな会社ですが、海外のお客さんから毎日のように商売の引き合いが来ます。しかも、検索サイトやフェイスブックといったインターネットサービスをはじめ、使っているインフラはもうみんな世の中でオープンにされているものばかり。

 近頃はこんな風に講演を頼まれることも多いのですが、いつも、「日本の中小企業はなんてもったいないことをしているんだろう」と思います。

 世界的に見ても、日本の中小企業は技術力も高いし、いい製品を作っている。付加価値の低い製品を作っているメーカーはもう、ここ10、20年でほとんど廃業か倒産に追い込まれましたから、残っているメーカーは皆さん、優秀です。その技術や製品を欲しがっている方も、世界にたくさんいます。

 いわば、ビジネスチャンスが世界中に転がっているのに、それをみすみす逃している。これは、ものすごく損なことです。

ITで情報発信するだけでビジネスチャンスがやってくる

 私たちの経験から言えば、いい製品、いい技術をITを使って情報発信するだけで、取り引きしたいという引き合いが、世界中からバンバン来ます。お金もそんなにかかりません。強いて言うなら、やるか、やらないか。ただ、それだけの違いです。

 日本のものづくりが品質や性能で負けることは、まず、ありません。では、何で負けているのかと言えば販売力です。自国以外にものを売る。ここの能力が著しく海外の企業よりも劣っている。ですから、ここを何とか突破できれば、日本の製造業は再び世界で勝ち抜くことができる。私はそう思っています。

 では、どうやってその販売力をつければいいのかと言いますと、その最初の一歩が、インターネットを使うこと。自社の優れた技術・製品の情報を世界中に発信する。すごく簡単なことですよね?

 やろうと思えば、誰にでもできる。なのに、こんな初歩的なことをやっていない中小企業が日本にはたくさんあります。これはもう、事業家としては罪に等しい、と私は思っています。

コメント4件コメント/レビュー

私のつとめる会社も同じぐらいの規模の会社です。海外展開すると言いながら英語のサイトすらまだつくってません。つくるつくるって言いながら結局日本語サイトだけ見栄え良く作り替えてるだけです。(2014/04/01)

「小さくても世界で勝てます! 「メトロール」のIT戦略」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私のつとめる会社も同じぐらいの規模の会社です。海外展開すると言いながら英語のサイトすらまだつくってません。つくるつくるって言いながら結局日本語サイトだけ見栄え良く作り替えてるだけです。(2014/04/01)

ホンダの創業者が「ものづくりとは何か」を60年前の社内報に書いています。「企業とは売ることである。本田技研も勿論この枠内にあるのは当然である。どんな良い製品でも販売が下手では駄目だし、販売が上手であつても、悪い製品では駄目だ。こんな簡単なことが何処の会社でもウマクゆかない。製品の良悪には実績が残るが、販売の上手下手には実績が残らない。だから恒に創造してゆくことであり、それが連続的に未来永劫次々とやつてゆかぬ限り、つまり創造を停止したとき、その企業は過去のものとして置去りにされ、発展は中止される。」(2014/03/31)

総合商社に食い物にされずに、独自に技術を磨きオンリーワンを目指す。まさにこれからの中小企業のあり方の良い一例ではないでしょうか?(2014/03/31)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長