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火力並みのコストとなった再エネ発電

米国の風力、太陽光が続々と到達

2014年4月7日(月)

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 世界的には、再生エネルギーのコストは急速に下がってきており、再エネは高いという常識は過去のものになりつつある。今回は、大規模ウィンドファームやメガソーラーが相次いで運開している米国の最新情勢を取り上げる。その低コストは衝撃的である。

日本では「コスト高」扱いだが……

 日本では、いまだに再エネはコストが高いという前提で議論が進んでいる。公式に発電コストが見直されたのが2011年に開催されたコスト等検証委員会においてであり、同年12月に発表されている。

 そのコスト水準が概ね固定価格買取制度(FIT)のコストの前提となっている。買取り価格は発電原価に事業収益率(IRR)、系統への接続費用を乗せたものである。コスト委員会の結果によると(2010年モデル)、kWh当たりで原子力8.9円(下限)、石炭9.5円、LNG10.7円、陸上風力9.9~17.3円、メガソーラ30.1~45.8円となっている。FIT条件は、太陽光が40円から32円へ低下したが、それ以外は基本的に同一水準であり、コスト委員会の試算が生きている。

 ところが、海外では条件のいいところでは、驚くべき低水準の長期売買契約(PPA:Power Purchase Agreement)が実現している。米国を例にkWh当たりの契約価格を見てみる。風力発電は、2.5セントを最低価格として、3セント程度の契約が続々と登場している。太陽光も、25年間で7セントを切る契約が現れた。この水準だと、火力、原子力の大規模発電よりも低いか、少なくとも伍するのである。減税措置を織り込んでいるため、実際は少し高くなるが、それでも低い。

風力大国テキサス州は3セントが一般的

 米国最大の風力開発量を誇るテキサスでは、kWh当たり3セント前後でのPPAが一般化しており、2.5セントを記録する事例もある。連邦政府の発電量に応じた減税措置であるPTC(Product Tax Credit)の10年間2.2セントを考慮に入れても、当初10年で5セント前後の水準である。契約全期間を勘案するとさらに低くなる。

 大規模事業のスケールメリットに加えて、風況に恵まれていることがある。設備利用率(キャパシティ・ファクター)は4~5割にも達する。このコスト水準だと火力発電に対して十分競争力がある。天然ガス火力の変動費は、シェールガス革命で歴史的低水準にあるなかで3セント程度、これに設備関連コストの3セントを加えると、少なくとも新規投資ベースでは競争力がある。逆に、テキサスや中西部では、火力発電建設を決断するのは勇気が要る。

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「火力並みのコストとなった再エネ発電」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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