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トヨタ式カイゼンで「安売り」から脱却

ヤマトミシン製造の近藤章吾社長に聞く、高付加価値路線で黒字を維持する秘訣

2014年4月8日(火)

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 ヤマトミシン製造は大阪市が本社の工業用ミシンメーカーだ。工業用ミシン市場は、海外の低価格品との価格競争に苦しんでいるが、ヤマトミシンは低価格線と決別。顧客の課題を調べ上げ、この課題を解決する技術を開発し新製品に搭載するサイクルを作った。結果、値引きをしなくても売れるようになり、国内外の大手アパレルやスポーツ用品メーカーなどの製造ラインでの導入が拡大。競争が激しいミシン業界の中で着実に黒字を維持し続ける優良企業、ヤマトミシンの近藤章吾社長に、高付加価値で高価格帯の商品に注力した経緯や、中小企業でも黒字基調を続けるための秘訣を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス記者、宗像誠之)

どんなに世の中が不況になっても必ず黒字を出す企業として知る人ぞ知る存在だが、ヤマトミシン製造はどういう会社なのか。

近藤:ヤマトミシンは、創業が1927年の、老舗の工業用ミシンメーカーだ。1958年ごろ日本製品として初めて、世界の工業ミシンの最高峰であった欧州のドイツ市場へ進出した。当時は、比較的安価で品質のいい機種を大量に欧州市場で販売し、好評を得た。これが我が社の、世界市場での黎明期だった。

値引きに応じなくても売れるように

過去には、価格競争に巻き込まれた歴史を持つが、そこからどう抜け出したのか。

近藤:欧州進出を果たしたものの、1970年代から世界市場における工業用ミシンの価格競争が激しくなった。そこで、販売方法を変えた。

 具体的には、従来のような標準的機能を搭載した商品を安く大量に卸売業者を通じて顧客であるメーカーへ販売する業態から、高付加価値商品を世界の大手メーカーに直販する体制に切り替えた。すると、ユーザーであるアパレルやスポーツ用品メーカーなどの生産拠点における課題やニーズが手に取るように分かるようになる効果が得られた。

 これらの情報を新商品開発に生かすと、より需要に合った高付加価値製品を作れるようになった。

 とはいえ、やはり価格競争は厳しく、ある時には、大手メーカー顧客がミシン業者に、一律の値引きを要求することもあった。しかし、我が社はそのような中で唯一、値引きには応じなかった。

ヤマトミシン製造の高機能ミシンの一種。縫う際のずれやねじれを防止する機能や、縫い終わりにホツレ止めを行い 次の本縫い工程を省略できる機能など、きめ細かな独自技術を搭載する

値引きしないのに、なぜその後も製品が売れたのか。

近藤:値引きをしない代わりに、従来の課題解決型の製品開発の実績を生かし、その顧客に様々な合理化の案を提示したのだ。

 この提案を実践すれば、必ず大きなコストダウンを実現できるものばかりだった。普段から、課題を見抜いて新製品開発をする体制を築いていたので、これができたわけだ。その提案力が海外企業に高く評価され、値引きしなくても買ってもらえる状況が続いた。

 顧客名は言いにくいが、誰でも知っているような国内外の大手アパレルメーカーや、スポーツ用品メーカーなど、ヤマトミシンの高機能ミシンが、これら企業の世界中の生産拠点で動いている。

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「トヨタ式カイゼンで「安売り」から脱却」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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