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ビットコインが生き残る唯一の方法

求められる低コストの即時決済手段

  • 島田 直貴

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2014年4月9日(水)

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 取引所の破綻が起きたビットコインを今から使おうと考える人は少数派かもしれない。ただし通貨には成り得なくても、低コストの即時決済手段として利用される可能性は残っている。金融ビジネスやIT(情報技術)に詳しい、島田直貴氏(金融ビジネスアンドテクノロジー代表)に、仮想通貨と決済革新というテーマで寄稿してもらった。

 私が個人と個人の間で決済をする仕組みに関心を持ったのは10年以上前のことです。エレクトロニックコマース(EC)と呼ばれた電子商取引が広がりを見せる中で、日本の決済の仕組みがECの普及を阻害するのではないかと心配になったからです。日本の仕組みは企業間の決済を前提に組み立てられており、決済リスクには配慮しているものの、ECで使おうとすると不便で高コストになっていました。

 個人間でより簡便に決済するアイデアは色々登場し、消えていきました。そうした中、2010年頃から海外でビットコインが話題に上るようになりました。日本でもほぼ1年前、2013年5月頃から報道が増えたと記憶しております。

 ビットコインや類似の仕組みについてメディアは「仮想通貨」とか「暗号通貨」といった呼び方をします。しかし、安易に通貨と呼ぶと勘違いする人が出ると懸念しておりました。ビットコインや類似の仕組みは通貨というより、決済という価値交換の一手段であると私は位置付けています。

 通貨は価値交換の他にも機能を備えています。その一つは価値の尺度となることです。それには圧倒的多数の価値基準共有者が存在しなくてはなりません。通貨は資産蓄積手段でもあります。その場合、永続的かつ安定した管理主体が存在しなくてはなりません。

 ビットコインは価値交換手段としては興味深いものの、価値基準共有者はごく一部ですし、管理主体が存在しません。管理主体がない点がビットコインの長所だと主張する人がおりますが、価値交換手段としては長所に成り得ても、資産蓄積手段としては短所です。

 通貨という呼び名に懸念を持ちながら、ほぼ1年前の2013年6月、当社のウェブサイトにビットコインについて書きました。ビットコインを支える技術の「長所は利用する上での与信コストの少ないこと」と述べ、決済を進化させる可能性があると指摘しました。

 その拙文を読んだ日経ビジネスオンラインの編集者から「2014年に入って起きたビットコイン騒動を受けて、今はどう考えているか」と問い合わせを受けました。「決済技術としては面白いが通貨には成り得ない」という私の判断は変わっておりません。

 そもそもビットコインがどうなるかよりも決済、特に日本の決済の仕組みがどう進化するかのほうがはるかに重要な問題だととらえております。既発表の拙文に加筆する形でそのあたりのことを述べてみます。

価値交換手段と資産蓄積手段を見極める

 ビットコインという決済の仕組みは例えば日本経済新聞の2013年6月3日付特集記事『ネット人類未来』において次のように紹介されていました。10~20ドルだったビットコインがキプロス危機を契機に266ドルまで高騰した。その理由は、国家が管理する通貨よりビットコインの方が安全と思われたから。政治家主導の国家は間違いを犯すものだ。そんな内容の記事でした。

 ビットコインの仕組みへの参加者はその自由さを重視しており、メディアは脱権力のイメージを強調したかったようです。ビットコインの創設に日本人と思わしき人物がかかわり、取り引きの中心地が東京だということもメディアが注目する理由でした。

 ビットコインはコインとは言うものの、コンピュータ上のデータをやりとりする仕組みです。日本人とされる人物が書いたという論文を基に、ボランティアの技術者たちがコインの生成と流通の仕組みを設計し、セキュリティや匿名性を維持できるようにしたものです。

 コイン自体に流通性と蓄積性があります。流通性を使うことにより、相手もビットコインを使っていれば、ビットコインだけで決済ができます。実体経済とは現金通貨、すなわち預金口座で最終的につながります。ただし、リアルマネーに変換するのは決済相手がビットコインを扱わない場合だけとなります。

 預金口座を使った決済の仕組みも、実際に現金を移動させるわけではなく、単なるデータの交換だけで価値の移転を実現します。この点はビットコインと同じです。ただし、ビットコインの仕組みには管理する仲介者が存在せず、ボランティアが支えているので、その分だけ決済コストや手間を省くことが可能となります。

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