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TPP、オバマ訪日時に「日本除外」が決定する最悪のシナリオも

「日本を待ってはいられない」――高まる米国内の声

2014年4月15日(火)

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 やはり米国は日本を邪魔者扱いにしていた。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉において米国は、参加12カ国の中で日本を最も妥協しにくい交渉相手と捉えていた。それは米連邦議員が発言する日本除外論からうかがうことができる。

 ミシガン州選出のデイビッド・キャンプ下院歳入委員会委員長 は交渉前から、日本のTPP参加に異を唱えていた人物である。同氏は、マイケル・フロマン通商代表部(USTR)代表が先週、日本を訪れる前、同代表に対してこう告げている。「(日本が)TPPという希望に満ちた協定を支持しないのであれば、まず除外してTPPを完遂させるべきだ。後になって(あの国が)準備でき次第、参加させればいい」。

 日本政府はこれまで日本国内において、米国に対する外交姿勢が弱腰であると指摘されてきた。「土下座外交」という表現が頻繁に使われたほどだ。しかしTPP交渉において米国は日本を、むしろ簡単に腰を折らない国と見ている。「日本は頑迷である」という印象さえ持っている。

 日本国内から見れば米国政府の態度こそが頑迷と映るが、米国は逆の見方をしているのだ。米国は、日本が農産物5項目を聖域と呼び関税撤廃を拒否する姿勢を、TPP交渉全体の進捗にとってマイナスでしかないと考えている。

 フロマン通商代表部代表は来日後、TPPを担当する甘利明経済財政・再生相と18時間にわたって交渉。その過程で、日本の聖域を認めることはなかった。これは、米国内で上がっているこうした強い声を受けているからでもある。

中間選挙前にTPP締結を目指す

 米国内の動向を探ると、日本をTPPから外すことに賛成しているのはキャンプ議員だけではない。米小麦生産者団体である米小麦アソシエイツのウォルター・パウエル会長は、農業紙「ファーム・フューチャー」にこう語っている。「日本が、聖域と呼ぶ農産物の関税を撤廃して交渉テーブルに着くのが望ましい。もし可能でないのなら、日本はTPPに参加する時期ではないのかもしれない。日本を除いて交渉をまとめるべきだ」。

 まだある。チェック・グラスリー上院議員は農業州であるアイオワ州出身で、日本の聖域を一切認めようとしない。同議員はフロマン代表に直接電話をしてこう伝えている。「日本は、農産物を含めたすべての品目が交渉の対象になることを理解すべきだ。それがTPP参加国の共通の認識だったはずだ。日本に強く迫ってくれ」。

 同議員はフロマン代表に執拗に説いたという。「hold their feet to the fire(直訳:日本の足を持って火に近づけろ:強く迫れ)」という英語表現さえ使ったそうだ。

 議員たちがTPPを早くまとめ上げたい理由の1つは、今年11月に行われる中間選挙だ。選挙前に協定をまとめ上げることができれば、政治家として得点になる。

 グラスリー上院議員は全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA) や全米豚肉生産者協会(NPPC) 、米国農業連合会(AFB)などの農業団体から、日本の聖域を取り崩せという要請を受けている。米国には「すべての政治はローカル(地元にある)」という言葉がある。地元の声こそが政治家を動かすという意味だ。グラスリー上院議員は米国版の農業族である。

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「TPP、オバマ訪日時に「日本除外」が決定する最悪のシナリオも」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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