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iPS細胞が拓く再生医療の可能性

山中伸弥教授と野田秀樹氏が“細胞”を語り尽くす(その8)

  • 崎谷 実穂

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2014年4月24日(木)

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 人間は、生まれた後の努力や経験、置かれた環境によっても、変わることができる。そのメカニズムの主役となるのが「細胞」だ。細胞は「体を構成する部品」と捉えられることが多いが、近年の研究ではそうでないことが明らかになってきた。1つの自律した生命体のように、自ら周りを探り、状況を判断し、自らを変化させているダイナミックな存在なのだ。細胞の中には、我々の経験を反映する仕組みが隠されている。

 NHKでは、最新の細胞研究を紹介する「人体 ミクロの大冒険」を3月末から4回にわたって放送した。番組中では、iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授と劇作家・演出家・役者の野田秀樹氏が“細胞”について対談した。

 日経ビジネスオンラインでは、番組で紹介できなかった対談のすべてを掲載する。最終回となる今回テーマは、前回に引き続き“老化と死”を取り上げる。長生きの大きな要因は免疫だ。今回は、免疫細胞の司令塔である「T細胞」の秘密に迫っていく。実はT細胞は20歳前後までは作られるが、その後は作られない。そして、正常な判断力を持つT細胞は歳を重ねると減っていってしまう。

 最近の研究では、人工的にT細胞を作り出すことに成功している。それを実現したのが、山中教授が生みだした「iPS細胞」だ。(今回のゲストは、阿川佐和子氏)

T細胞を育てる胸腺は、思春期を過ぎるとなくなってしまう

「胸腺」は子どもの心臓の真上にある小さな臓器だ(写真上)。ここで、T細胞を一人前に育てる。T細胞の表面には、体のなかで異物の正体を見極めるためのアンテナがある(写真下)。胸腺の細胞で、T細胞のアンテナの性能をチェックし、性能が少しでも悪いと判断すると、そのT細胞ごと壊してしまう

 免疫細胞のリーダー、T細胞はなぜ暴走してしまうのか。そのヒントは、T細胞が一人前の司令塔になるための道のりに隠されている。子どもの心臓の真上には、小さな臓器、胸腺がある。骨髄で作られたT細胞たちは司令塔として働く前に、ここにいったん集められる。

 T細胞の表面には、体のなかで異物の正体を見極めるためのアンテナがある。このアンテナのかたちに異物がぴったりはまると、病原体と判定される。このアンテナはT細胞ごとに形が違う。種類は数百万以上。あらゆる病原体に対応する備えだ。骨髄でつくられたT細胞は、胸腺の細胞によってアンテナの性能をチェックされるのだ。性能が少しでも悪いと判断すると、そのT細胞ごと壊してしまう。この厳しい選別を乗り越えて初めて、T細胞は司令塔として実践に向かう。

 ところが、T細胞を一人前に育て上げる胸腺には、大きな異変が待ち受けている。思春期を過ぎると、ほとんどなくなってしまうのだ。

濱崎洋子(以下、濱崎):T細胞は見たこともない病原菌に反応するようなアンテナをどうやってつくるのか。実は適当につくっているんです。ランダムにいろいろな種類をつくるんですね。

野田秀樹(以下、野田):それがたまたま合致すると。

濱崎:それくらいアバウトじゃないと、あらゆる外来微生物に対応するなんていう、すごいことはできないんじゃないかと思います。そしてランダムにつくると、かならず自分を捕捉してしまうものも確率論的に出てくるんですよ。

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