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ビットコイン、最大の“ライバル”の実像

「リップル」は仮想通貨の本命か

2014年4月22日(火)

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 2009年のビットコイン登場を契機に、世界では既に150を超える仮想通貨が誕生している。ただ、「ライトコイン」や「ドージコイン」など、流通量の多い仮想通貨の大部分は、ビットコインの基本原理に基づいて作られた“派生品”だ。そんな中、多くの専門家が、ビットコインとは異なる仕組みで生まれた「リップル」に注目している。リップルは仮想通貨であると同時にオープンソースの決済プロトコルであり、ビットコインとの違いが分かりにくい。リップルを開発している米リップル・ラボ(サンフランシスコ)のCEO(最高経営責任者)、クリス・ラーセン氏と広報担当ディレクターのモニカ・ロング氏にその狙いと特徴を解説してもらった。

まず、リップルとリップル・ラボについて簡単な説明を。

広報担当ディレクターのモニカ・ロング氏:リップルは2013年1月に正式にスタートしたオープンソースの決済プロトコルで、リップル・ラボはそれを開発している会社だ。

 リップル・ラボは、プロトコルであるリップルをサポートすることを使命としている。現在、ここサンフランシスコのオフィスに45人の社員がおり、3分の2がエンジニアだ。金融技術系のスタートアップやセキュリティー、暗号の専門家などを多く集めている。現在、暗号技術のチーフを務めている人物は、以前、NSA(米国家安全保障局)のコンサルタントをしていた。その他、ゴールドマン・サックスなどウォール街の出身者や、規制対応を円滑にするために大手金融コンサルタント会社からもメンバーを採用している。エンジニアたちは、リップルのコードを開発すると同時に、他の企業がリップルを使ったサービスを開発できるようにするためのツールも作っている。

米サンフランシスコにあるリップル・ラボのオフィスでは、45人の社員が決済プロトコルの整備を進めている

グーグルの投資部門も出資

 リップル・ラボはこれまでにグーグル・ベンチャーズの他、米投資会社のアンドリーセン・ホロウィッツやファウンダーズ・ファンド、中国のIDGキャピタルパートナーズなどから合計650万ドル(約6億5000万ドル)を調達した。金融サービスを受けられない「アンダーバンク」と呼ばれる人々の問題解決に特化した米コアイノベーションキャピタルも重要な投資家の1つだ。

決済プロトコルとしてのリップルについて、もう少し詳しく説明してほしい。

CEOのクリス・ラーセン氏:リップルは、P2P(個人間)の仕組みに基づいて、分散型の金融取引を実現するための決済プロトコルだ。オープンソースのプロトコルであり、もとは我々の技術チームが開発した。

 このプロトコルを使うと、ドルや円、ユーロなどの既存通貨、ビットコインなどの仮想通貨、航空会社のマイルやゲームのポイントなどの「価値」をグローバルでやり取りできるようになる。現在は国ごとに異なっている決済プロトコルをグローバルで統合し、あらゆる「価値」をあたかもEメールや情報のように基本的に無料で、世界中どこへでも動かせるようにする。これがリップルの目標だ。

リップル・ラボのクリス・ラーセンCEO

現在の決済プロトコルが「国ごとに異なっている」というのはどういう意味か。

ロング氏:現在の国際間決済の業界構造を見ると、そこには(ACH=自動決済センターや国際的な送金情報網である「スイフト」、銀行、決済代行業者など)複数の異なるプレーヤーが関わり、多層構造ができあがっている。しかも、インフラに相当するクリアリング(清算)やセトルメント(決済)といった機能がグローバルレベルで統一されておらず、決済システムは事実上、国や地域ごとにクローズドになっている。

 このため、企業が国をまたいで資金を動かそうとするとコストが高くつき、時間もかかる。複数の機関や銀行が仲介するため、途中で決済が失敗するリスクも高くなる。例えば、1つの企業の中で証券取引口座から当座預金口座に資金を移す際でさえ、ACHを通す必要があり、高コストで処理が遅いといった問題が生じている。

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「ビットコイン、最大の“ライバル”の実像」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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